理事長談話「新たな患者負担増、給付率の自動調整、地域別診療報酬の導入に強く反対する」


当会は、下記の理事長談話を発表し、内閣総理大臣、財務大臣および宮城県選出国会議員に送付しました。

理事長談話

2018年6月6日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之

新たな患者負担増、給付率の自動調整、地域別診療報酬の導入に強く反対する

 政府は6月5日、経済財政運営の基本方針(「骨太方針2018」)の原案を示し、外来時の定額負担導入、後期高齢者の窓口負担増、高齢者の現役並所得基準の見直し、資産を考慮した負担の検討などを盛り込み、いっそうの患者負担増の方針を明らかにした。

 財務省が提案していた医療費の伸びに応じ給付率を自動調整する仕組みについては直接的な記述は見送られた。しかし、具体化への含みを残しており、この「仕組み」が導入されれば、2002年健保法改正法附則に規定された「将来にわたって7割の給付を維持すること」さえ踏みにじられ、天井知らずに患者負担が引き上がる恐れがある。これ以上の患者負担増は、患者、国民に深刻な困難をもたらし、命と健康を脅かすことになる。

 さらに、診療報酬の1点単価10円を9円や8円に設定するなど、都道府県の申し出を厚労省が特例的に認める地域別診療報酬について、「骨太方針2018」に活用の検討として盛り込まれた。皆保険制度は全国一律の診療報酬で医療の質と医療機関の経営を保障しており、「格差」の導入となれば、この根幹を崩すこととなる。医療機関の維持や医療従事者の確保がますます困難となり、地域医療崩壊をもたらすことは明らかである。

 われわれは、国民の命と健康を守る医師、歯科医師の団体として、財政至上主義で医療の実態を省みないこれらの方針に強く反対し撤回を求める。

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