2019年3月


(2019年3月)

東日本大震災から8年を迎えて

理事長 井上 博之

 今年もまた3.11がやってきました。未曽有の大震災が遺した爪痕はそんなに簡単に癒えるものではありません。もちろん、中には、月日が経って解決したものもあります。8年間に、一方で復興が目に見えて進んだところと、もう一方では依然変わらない被災者生活を送っている方もあって、復興格差がさらに明瞭になっています。
 多くの被災者から、口々に感謝や安堵の声が上がっていた「医療費免除」は、継続していた3市も3月末での打ち切りを発表しました。岩手県では続けられている制度なのに、宮城県では皆無になりそうです。公的に作り出されたこんな格差は許せません。震災の影響でさまざま病気を発症した被災者の「医療費免除打ち切りは死ねということだ」の声はむなしくかき消されてしまいました。私たち医療者は、来なくなってしまった患者さんのことを想像するしかありません。無念です。絶対に忘れてはいけない教訓にしたいと思います。
 仮設住宅から災害公営住宅に移り住んだ入居者からは、高い家賃にあえぐ実情が伝わってきます。また、高台移転など復興が進んでも、人口減少が止まらない悩みを抱える地域など、今後へ難しい課題が横たわっています。
 昨年、「今後の生活に不安を感じている」という被災者は70%に上るという調査結果がありました。別な調査では、「被災者という意識はなくなったか」という問いに対して、6割近い被災者がNOと答えています。
 「復興はまだまだ道半ばである」と肝に銘じて、被災地の現実に慧眼を注ぐ必要がありそうです。
 宮城県保険医協会は、これまで共に活動してきた「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」の一員として、今後も支援活動を継続していきます。

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