「女川原発再稼働に関する会員意識調査」結果


女川原発再稼働に反対91%
過酷事故時の自力避難は不可能65%
会員アンケートで明らかに

 昨年11月28日、原子力規制委員会は女川原発2号機が新規制基準に適合するとの審査書案をまとめました。再稼働の前提となるものです。これを受け、昨年12月行った会員アンケートの結果を報告します。(文責:公害環境対策部)

【対象】宮城保険医協会員1636人
【期間】2019年12月5日から12月16日までの12日間
【方法】郵送およびファクスにて配布。郵送・ファクス・メールにて回収
【結果】回答会員数は89人(回収率5・4%)
    医科会員52人(有床20人、無床32人)・歯科会員37人
    医療機関の所在地は仙台市32人、女川原発30㌔圏内(石巻・美里・涌谷)11人

設問①女川原発再稼働についてどう思いますか?
 賛成5人(5・6%)、反対81人(91%)その他3人(3・4%)で、回答会員の91%が反対でした(図1)。
設問②過酷事故が起きた時、自身の医療機関(患者・従業員を含む)の避難は可能かですか?
 可能17人(19・1%)、不可能58人(65・2%)、その他14人(15・7%)で、不可能が半数以上を占めました(図2)。30㌔圏内の医療機関のうち2人は可能と答えました。その他の記載欄には、事故の程度や風向きなどにより予測できないとの意見が多く寄せられました。

 自由意見欄には、「再稼働は私たち医療人の気持ちを無視したもので断固反対」「避難計画もしっかり策定できていないにもかかわらず再稼働は許せない」「国民の財産や生命を軽んじている」「人類を滅ぼす発明。一地域一国家の問題ではない」「フクシマの被害者のことを考えると、同じような事故寸前の女川原発を再稼働するなど言語道断」「被ばくのリスクがある場合は、住民全てが避難しなければならず、物理的にも時間的にも不可能」「不十分な検証を基に作られた安全基準に、どれほどの信頼性があるか疑問」「目先の利潤や利権で判断する問題ではなく、国家百年の計を見据えて判断すべきで、再稼働はあり得ない」「入院患者さんを一斉に避難させるには無理があり、被災した人々を受け入れるのも困難」「核のゴミの問題に触れずに、CO2を出さないという宣伝は公正を欠く」などの反対意見が多数を占めましたが、「今ここにある原発燃料ウランは原発を稼働させない限りその体積を減らすことも再処理燃料という形にすることもできないので原発稼働が必要だ」との賛成意見もありました。

▼自由意見
・自然エネルギーの活用をめざすべき
・福島原発のデブリのニュースを見て思うのは、人は原発を扱えるのだろうかと思う
・問2の設問は中途半端で不適切
・福島での原発事故のことを考えると再稼働には賛成できない。いくら国や電力会社が安全と断言したところで災害が起きた時に「想定外だった」で片づけられる。今後、必ず起こる地震等の災害のことを考えると、原発は反対します。
・NO more 福島!
・女川原発だけでなく原発そのものーAbolition
・再稼働は私達医療人の気持ちを無視したもので、再稼働には断固反対です。
・再稼働はダメです。原発に頼らない発電を!!
・避難計画もしっかり策定できていないにもかかわらず、再稼働など許さないことである。「原子力ムラ」の論理で原発を稼働させることは絶対反対である。彼らは福島の事故から何も学んでいないのではないか。国民の財産や生命を軽んじる。現在の安倍政権の体質そのもの、断じて許されない。
・事故が起きるのがコワイから動かさないというのも理由とはなるだろうが、問題の解決とはならない。現実問題として今ここにある原発の燃料ウランは、原発を稼働させない限り、その体積を減らすこともできないし、再処理燃料という形にすることもできない。処理可能なものに変換することが必要で、そのために原発稼働が必要と考える。心配なら最新型の4S原発(これは日本人が発明)でウラン燃料を鉛になるまで使用できる。最高温度350°で地下埋め込み式、暴走しても炉心溶融を起こさないタイプ、これを使えば良い。
・名取が避難地域には含まれませんが、再稼働には反対です。
・人類を滅ぼす発明。一地域一国家の問題ではない。安全性などという問題ではなく、想像力、倫理観が重要。そして行動力が問われている。
・本当に原発は必要なのですか。最終処分が決まらないのに、どうしてたれながすのですか
・再稼働すべきでない
・フクシマの被害者のことを考えると同じような事故寸前の女川原発を再稼働するなんで言語道断!危険は避難計画などあらゆる面から見て絶対ダメ!
・ソーラーなどクリーンエネルギーにするべき。テロの対象となる危険も高い。地震津波のメッカに作ってはならない。また想定外ということになる
・距離的には少し離れていますが福島原発同様に再稼働は反対です。
・放射能事故は、人類はそれを処理する技術を持っていません。人智を超える最大の事故です
・患者さんそれぞれの方々への医薬品の確保と配布、連絡先の情報の確認(各自がバラバラに避難するので)、一人暮らしの患者の安否等、無床診療所でも難しいことが多いと思います。
・被曝のリスクがある場合は住民すべてが避難しなければならず、それは物理的にも時間的にも不可能であろう
・現段階で原発に代わる発電システムが無いのでやむを得ないと思うが少しでも何らかの不安があるのであれば稼働すべきではない。未来を見据えて原子力から代わる安全な発電システムを早々に造ることが不可欠だ。
・福島原発事故を省りみず、再稼働を進めようとする行政は、狂気としか言えない。無謀極まりない暴挙であり断固反対する。平和と安全を守るのが政治、行政の使命であるべきであるのに、一部企業や欲にまみれた経済理論を優先する悪党は、さっさとその場から去るべきである。
・女川のみならず、全国の原発の再稼働に強く反対する
・原発全廃止!
・想定外の災害が起これば、再び危機的な状況になる事は自明の理と思います。その様なリスクをおかしてまで、現在需給が足りている電力のために原発を再稼働する理由はありません
・電力が原発以外に作り出せないのであれば仕方がありませんが、安全・安価な電力の神話は崩壊しました。福島原発事故の後に再生エネルギーの必要性が主流になっていましたが、また、元の木阿弥になりつつあります。利権に関わることがいわゆる経済の現在の損得に直結しているからでしょう。女川原発再稼働に反対します。出来れば全国の原発の停止を願います。
・原子力規制委員会も避難経路、被害の長期間で●●、要するに今後の宮城県、日本、世界には原発は存在してはいけないものなのです。我々も、人類全体としてもなんとか原発ゼロに向けて行動すべき時代になっていると思います。宮城県も日本の自民●●●も決断すべき時代なのです。
・福島第一原発事故の原因究明が十分なされていないと聞きます。津波が襲来する前に既に配管が破損していた可能性が指摘されていますが、十分検証されていないそうです。不十分な検証を基に作られた安全基準にどれ程の信頼性があるか疑問です。また、事故後の対応や補償もとても不十分です。故郷を追われ転居を余儀なくされた方達の無念は察するに余りあります。被害が大き過ぎて補償のしようが無いのかもしれません。安倍首相は「福島第一原発の汚染水は完全にアンダーコントロール」と世界に向けてうそをつき、オリンピックを招致しましたが、廃炉の見通しは全く立っていません。一度事故が起こると収拾がつかず、国土の一部を失い、国内難民を発生させてしまう原発は、絶対に再稼働させるべきではないと考えます。目先に利潤や利権で判断する問題ではなく、「国家百年の計」を見据えて判断すべきで、将来世代のことを考えたら、再稼働はありえない選択だと思います。
・入院患者さんを一斉に避難させるには無理があり、被災した人々を受け入れるのも困難です。従業員の避難を最優先に考えますが、入院患者さんより先に従業員が避難する事は、精神的な負担が大きいと思われるため、再稼働には反対です。
・次世代の未来を考えて原発に頼らない方法をさがすべきです。想定外の過酷事故には対応できないという事を福島の事故から学んだはずです。原発はリスクが大きすぎます。
・核のゴミの問題にふれずにCO2を出さないという宣伝は公正を欠くと思う。・事故が起きた際、「規制委員会の審査に合格している」ことを根拠に賠償責任を放棄する懸念があり、電力会社は信用できない。・そもそも責任能力があるのか?東北電力は東電に較べ小さな会社である。
・原発事故のはかり知れない恐ろしさを経験し、完全収束の目途があいまいなまま再稼働とはどういうことか。国家の存続に直結する核の脅威は唯一の被曝国である日本が体験済であるはず。有り得ない事が起こるこの時世、もう一度事故が起きないと目が覚めないのだろうか。
・どこに、どうやって逃げられるというのでしょうか。どう頑張っても無理です!再稼働反対!!
・東日本大震災における福島原発事故後の振り返りが充実ではない現在、再稼働には絶対反対です。
・東北電力側の稼働させることの論理、合理性を聞きたい・女川原発即時廃止を
・女川原発より直線で43kmに当病院が有り、全ての事を考えると再稼働は絶対反対である。

 

 命と健康を守る医療人として、これからも女川に限らず原発問題を真剣に考え取り組むため、会員のさらなる意見と行動を期待します。メールでもファクスでも構いません。ぜひ、ご意見をお寄せください。

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