シリーズ「女川原発廃炉への道」No,5


シリーズ「女川原発廃炉への道」

女川原発2号機再稼働は誰が決める?

理事長 井上 博之

 原子力規制委員会から事実上の合格証を得た、女川原発2号機の再稼働はこのまま進むのでしょうか、いま県民の関心事です。今年3月末に河北新報社が実施した、世論調査の結果は示唆に富んでいます。
 再稼働反対は61.5%、安全性に不安が74.0%でした。2年半前の前回調査では68.6%と87.0%だったので、東北電力の努力を県民が少し認めたのでしょうか。そこで、さらに調査結果を見てみました。再稼働に必要な同意は「県と宮城県内全ての自治体」にという声が60.8%、その際に重視すべきこととして「住民の意向確認や住民投票の結果」でという意見が55.6%、そして住民投票に賛成が79.7%となっていました。
 一昨年取り組んだ県民投票を実現する署名運動の影響が感じられます。「大事なことはみんなで決めよう」「子どもたちの未来に関わる『原発』のことはみんなで決めよう」という呼びかけが、今も県民の胸に息づいているのではないでしょうか。
 以上見てきたように、女川原発2号機の再稼働は、知事や一部の首長だけで決められる状況にはありません。もう一度県民世論を喚起して、再稼働についての議論を起こしていくべきときです。今の県知事と県議会は、県民の意向にまったく逆らっています。少しまともな宮城県にしていく努力が求められています。
 最後に、当会は昨年12月、会員アンケートを行いました。女川原発再稼働反対が91.0%でした。いのちと健康を守る医療人としての矜持が示されたのだと思います。

 

本稿は宮城保険医新聞2020年5月25日(1718)号に掲載しました。

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