新型コロナウイルス感染症関連「第2次補正予算で措置された医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業(補助金)の税務処理に関して」


第2次補正予算で措置された医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業(補助金)の税務処理に関して

2021年2月4日
全国保険医団体連合会 経営税務部事務局

 第2次補正予算で医療機関への支援として、感染防止や感染防止に取り組みながら日常診療を維持する経費について、診療所(医科・歯科)には、上限100万円の補助金が交付されています。
 2020年度の確定申告も間近に迫り、協会・医会への問い合わせも増えています。そこで、現状で保団連が国税庁から得ている回答をもとに、税務処理に関してご案内します。
 保団連では、補助金の税務処理に関して、国税庁に照会するとともに、簡便な税務処理を要請してきました。税理士によって見解が異なるという相談も協会より寄せられており、国税庁には、医療現場が混乱しないよう、FAQなどで周知徹底することを求めているところです。

Q:補助金は課税対象ですか?
A:今回の補助金は、課税対象となります。
保団連では、今回の補助金の趣旨に即し、新型コロナウイルス関連の各種補助金・給付金などの「非課税」取り扱いを求めています。

Q:補助金(例:100万円)が2020年12月末までに入金済で、2020年12月末までに全額を使い切った場合の記帳はどうなりますか?
A:収入は、「仮受金」100万円で計上します。
基本的に、経費が発生した際、両建てで「仮受金」を「雑収入」にします。

〈補助金収入時〉
(借方)現金(または入金口座)100万円 /(貸方)仮受金100万円
〈補助金の対象に該当する経費の支出があった時〉
(借方)仮受金100万円 /(貸方)雑収入100万円
(借方)経費100万円 /(貸方)現金(または支払口座)100万円

Q:補助金(例:100万円)が2020年12月末までに入金済で、2020年12月末までに一部(例:50万円)を使った場合の記帳はどうなりますか?
A:年度をまたがった場合は、経費を使った時に「仮受金」を「雑収入」にします。

〈補助金収入時〉
(借方)現金(または入金口座)100万円 /(貸方)仮受金100万円
〈補助金対象経費50万円が発生した時〉
(借方)仮受金100万円 /(貸方)雑収入50万円
(借方)経費50万円 /(貸方)現金(または支払口座)50万円
※厚労省から出されたQ&Aで幅広い日常経費も含んだ備品などが対象経費と認められたため、100万円を雑収入とし、100万円を経費として年度をまたがず、処理する方法が簡便です。
〈2021年1月から3月の間に残りの補助金(50万円)の対象に該当する支出があった時〉
(借方)仮受金50万円 /(貸方)雑収入50万円
(借方)経費50万円  /(貸方)現金(または支払口座)50万円

Q:2020年12月に補助金を申請し、100万円(医科・歯科無床診の場合)の入金が2021年1月の場合は?
A:2020年4月1日から12月31日までに補助金に該当する支出をした場合は、その分の収入の見積りを行い、2020年12月31日の収入に計上します。

例:2020年4月1日から12月31日までの補助金対象経費の支出が70万円の場合
〈補助金を申請した後〉
(借方)未収金(見積り計上)70万円/(貸方)雑収入70万円

〈2021年1月に通知、もしくは入金されたら(通知もしくは入金で早い方)〉
(借方)現金(または入金口座)100万円 / (貸方)未収金70万円
(貸方)仮受金30万円

〈2021年1月から3月の間に補助金の対象に該当する支出があった場合〉
(借方)仮受金30万円 /(貸方)雑収入30万円

Q:固定資産(10万円以上)を購入した場合は?
A:「国庫補助金等の総収入金額不算入」(所得税法第42条)の規定を適用します。この規定を適用した場合には、補助金は総収入金額に算入されません。
また、取得した減価償却資産の取得価額は総収入金額に算入されない金額を控除した金額となります。なお、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」(別紙・記入例もご参照ください)の提出が必要です。

〈補助金収入時〉
(借方)預金50万円/(貸方)仮受金(事業主借)50万円
〈減価償却資産取得時〉
(借方)器具備品50万円/(貸方)預金50万円
〈いわゆる圧縮記帳〉
(借方)仮受金(事業主貸)50万円/(貸方)器具備品50万円
 


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