宮城県保険医協会 第52回定期総会決議


決   議

 新型コロナウイルス感染症拡大は、政府の長年にわたる医療費抑制策による保健所や医療体制の脆弱さを露呈し、パンデミックという災害に対応しきれないことが明らかになった。これまで続けられてきた病床削減、患者負担増、公的保険の縮小など医療と社会保障の削減をやめ、国民の命と健康を守る政策に根本的に転換すべきである。一方、診療報酬は2002年以降、累計で10%以上引き下げられ、今次改定においても全体で0.94%のマイナスとなった。コロナ禍を教訓としないこのような改定をあらため抜本的な引き上げを求める。

 コロナ禍にあって多くの人々が苦しい生活を余儀なくされ健康悪化が危惧されている。また医療機関は公的、民間を問わずコロナ禍の中で2年以上、地域医療の最前線で対応を迫られてきた。国民が安心して医療を受けられる負担軽減およびすべての医療機関への持続的な財政支援が必要である。

 本総会にあたり、医療の第一線を担う我々は、新型コロナウイルス感染症の終息に向け活動を進めると共に、地域医療を充実させるため広範な人々と協力・共同し、以下の要求実現に向け取り組むことを決議する。

一、新型コロナウイルス感染症終息に向け、政府は医療機関への全面的な経済的支援と共に、国民生活と健康確保へのあらゆる手立てを講ずること。

一、だれでもどこでも安心して医療が受けられるよう医療費抑制策を改めること。75歳以上の2割負担化を中止し、患者窓口負担を引き下げること。

一、地域医療を守るため診療報酬を抜本的に引き上げること。

一、宮城県立がんセンター、精神医療センターと仙台赤十字病院、東北労災病院との統合、移転構想は撤回すること。公的病院の再編・病床削減をやめ、保健所体制を強化するなどコロナ禍を教訓とした地域医療の拡充を図ること。

一、医療従事者の労働環境を改善・充実させる施策を講じること。公的責任で必要医師数を養成・確保し、医師不足・偏在を解消すること。

一、歯科における金パラ逆ざや問題を抜本的に解消する手立てを講ずること。

一、医師、歯科医師の裁量権を尊重した審査、行政手続法に則った指導・監査とすること。

一、消費税を引下げ、医療にはゼロ税率を適用すること。

一、東日本大震災を教訓とした大規模災害時の被災者の医療費免除や生活再建支援、民間を含む被災医療機関への公的支援等を制度化し、拡充すること。

一、原発事故を二度と繰り返さないため、女川原発をはじめすべての原発を廃炉とし、再生可能エネルギー政策へ抜本的に転換すること。東京電力福島第一原発事故によるALPS処理水の海洋放出はおこなわないこと。

一、人命を守る医師、歯科医師の団体としてロシアのウクライナ武力侵攻に抗議し、外交、平和的解決を強く求めると共に、人権尊重、平和主義、民主主義に基づく日本国憲法を堅持すること。

2022年5月28日
宮城県保険医協会第52回定期総会

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