シリーズ「女川原発廃炉への道」No,32


シリーズ「女川原発廃炉への道」

命より大切な物はありません

理事 高橋 征

 2022年2月に女川原発での重大事故を想定した国の原子力総合防災訓練が、コロナ禍に関係者主体で行われた。日時などが事前に分かっていた避難訓練でも、多くの不都合な点が分かった。曲がりくねった山道では、予告なく突然発生する事故時は気も焦るし、運転も疎かになり、大渋滞の発生が予測できる。避難経路として、高速道路並みの直線での2車線道路の工事が必要である。問題が全て改善できなければ、原発再稼働は無理であり、中止すべきであるが、山口原子力防災担当相が「避難計画の実効性が十分に確かめられた」と発言したのには驚いた。
 避難計画は「机上で作られ」、天候や津波、大渋滞等を考えると避難には3~5日くらいはかかるのではないか。女川原発は基準地震動(地震対策の目安)を4回も超えた被災原発で、世界一地震津波の影響があるという。「老朽原発を60年も稼働するなんて……」重大事故の危険が増すだけである。原発ゼロへ向かう政権の樹立を我々は目指すべきではないか。政権交代が必要である。命より大切な物はない。優先すべきは命と暮らしであるのだから、「女川原発の再稼働」は絶対反対である。

 

本稿は宮城保険医新聞2022年7月25日(1788)号に掲載しました。

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