要望書「後期高齢者医療制度の保険料引き上げなど、医療・介護の負担増中止を求める」


2023年5月2日

内閣総理大臣 岸田 文雄 様

厚生労働大臣 加藤 勝信 様

宮城県保険医協会
理事長 井上博之

後期高齢者医療制度の保険料引き上げなど、
医療・介護の負担増中止を求める

 4月13日の衆議院本会議で、後期高齢者医療制度の保険料引き上げを含む健康保険法等「改正」案が自民党、公明党、国民民主党の賛成多数で可決され、参議院に送られました。
 同法案は、高齢者を狙い撃ちする一方、国費は今回の法「改正」全体で910億円も削減されるものです。国民皆保険制度における国の財政責任を後退させるものであり、断じて容認できません。参議院での徹底審議を求めるとともに、高齢者の生活、健康を脅かす後期高齢者医療制度の保険料引き上げは撤回することを求めます。
 昨年10月、政府は75歳以上で年収200万円以上の約370万人の国民の医療費窓口負担を2割に引き上げました。さらに介護保険利用者2割負担の対象拡大、老健施設などの多床室の室料有料化など、介護の大幅な利用者負担増が検討されています。しかし当会がおこなったアンケート調査では、23.6%の方が過去半年以内に経済的な理由による受診控えを経験しています。同アンケートには「医療費窓口負担が1割から2割になり、金額が高くて驚いている。これから十分に受診できるかとても不安(70代)」「受診するたびにお金のことが心配。薬代が高い(40代)」「物価、電気代が高くなり、受診を控えないと生活できない(40代)」「我慢できるような痛みは受診しないで様子をみるようにしている(60代)」「派遣社員のため退職手当がなく、年金給付など将来に不安がある。雇用・社会保障制度など安心できる社会を希望する(40代)」など悲痛な声が寄せられています。
 非正規雇用の増加、低賃金労働のまん延、年金の引き下げによって格差や貧困が広がり続け、そこに長引くコロナ禍、物価高騰が追い討ちをかけ、国民の負担はもう限界です。当会は国の責任で、すべての国民がお金の心配なく安全・安心の医療、介護が受けられるように、以下の事項を求めます。

一、医療・介護の患者・利用者負担を大幅に軽減すること。75歳以上の医療費窓口負担は2割から1割に戻すこと。

一、後期高齢者医療制度の保険料引き上げは撤回すること。介護の利用者負担2割の対象拡大など、医療・介護の負担増をしないこと。

一、医療・介護への国の予算を増額すること。

 

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