被災者の医療費一部負担金免除に関する患者アンケート結果について


被災者の医療費一部負担金免除に関する患者アンケート結果について

 

当会が行った「被災者の医療費一部負担金免除に関する患者アンケート」で、圧倒的多数の被災者が医療費一部負担金の免除継続を求めていることが明らかになった。合わせて、一部負担金が受診抑制の大きな要因となっていることも明らかになった。特に、医科より歯科に受診している患者に受診抑制の傾向が強いことがうかがえる。大震災からの復興には長い時間がかかると共に、被災者の不自由な仮設住宅などでの生活、将来不安などによりいっそうの健康悪化が心配されることから、被災者への医療費自己負担免除制度が10月以降も継続されることが求められている。

 

1、調査の目的

被災者医療費の一部負担金免除措置による被災者の受診状況と、免除措置の継続についての被災者の意向を調査することを目的とした。

2、調査の実施時期、対象者、実施方法と回収数

5月18日から6月5日の期間に、当会の開業医会員1216人の医療機関に1件あたり10枚のアンケート用紙を配付し、一部負担金免除対になっている患者にアンケート用紙を配付してもらった。回答後は患者がポストに投函してアンケート用紙を回収する形をとった。回収したのは794件だった。

3、調査結果の概要

(1)一部負担金免除による医療機関へのかかり方について、「かかりやすくなった」が全体で78.2%、医科に受診している患者では74.3%、歯科に受診している患者では83.9%だった。「かかりやすくなった」と回答した一部負担金免除の患者は医科より歯科に受診した患者の方が9.6ポイント高かった。「変わらない」は19.6%、「かかりにくくなった」という回答は1.9%だった。8割弱の患者が「かかりやすくなった」と回答している。

 

(2)「かかりやすくなった」と回答した方の免除前の状況について「受診はしていたがなるべく回数を控えていた」が59.9%で最も多く、次いで「受診を我慢していた」が31.2%だった。医科患者で最も多いのは「受診はしていたがなるべく回数を控えていた」で62.6%、歯科患者で最も多いのも「受診はしていたがなるべく回数を控えていた」で56.2%だった。約9割の患者が免除になる前は受診を抑えられていたことが明らかになった。「受診を我慢していた」と回答した患者は医科が28.7%、歯科が34.7%で、歯科が医科より6ポイント高く、経済的理由による受診抑制の傾向が医科より歯科に強いことがうかがえる。

 

(3)「10月以降も免除を継続してほしいですか?」の問いに対して、継続してほしいと回答したのは91.3%と圧倒的に多かった。

 

(4)意見欄には回答者のうち6割を超える方が声を寄せている。「助かっている」「ありがたい」との声がかなり多い。震災で経済的な負担が大きい中、一部負担金免除が負担軽減に役立っている状況が明らかになったばかりでなく、「生活していく上での不安要素の1つが改善されている」「震災によって体調不良になったりと心身ともに大変だったが、一部負担金免除によって医者に見てもらうことにより、早くに復興に向けての気持ちを持つことができた」など、被災者が復興に向けて前向きな姿勢を持つことにも役立っていることがうかがえる。10月以降の免除継続を希望する意見も寄せられている。「9月で(免除が)終われば受診は控えることになる。免除前と同様に我慢するでしょう」「被災前からかかっている医療費も生活の負担になっていた。被災し、収入も減った上に補修費などにより出費もかなりあった。しかし医療は途中でやめられない」など、被災後の経済的負担の重さや、体調不良、病状悪化から免除を求める声が多い。

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