2017年3月


(2017年3月)

震災復興6年にあたって

理事長 井上 博之

井上博之顔写真20161227私は、週2回、東松島市の高台移転した野蒜ケ丘地区を通って通勤しています。きれいに整備された道路、建設中の災害公営住宅、既に完成し子どもたちが通い始めた、周りの自然にマッチしたとても立派な小学校を目の当たりにして、理想的な復興かなと感じたりします。今夏には災害公営住宅への入居が始まり、市内の一部の仮設住宅は自然消滅するそうです。
先月の日曜日、久しぶりに南三陸町を訪ねてみました。濛々たる砂煙の中、たくさんのダンプが行き交っていました。ここでは、まだ、街の姿は見えませんでした。
それでも、目に見える復興は多少の計画のズレはありながらも着実に進んでいます。
 しかし、多くの識者が指摘しているように、目に見える復興にだけ惑わされてはいけないとも感じます。協会がずっと注目してきた、被災者の医療費窓口負担免除。県民の関心も高く、昨年9月に宮城民医連が行った、災害公営住宅1654軒への個別訪問調査結果では、5割の方が経済的に苦しいと感じ、多くの方が健康に対する不安を抱えており、医療費免除の継続・復活を望む方は7割を超えたそうです。表向き立派な住宅に入居できても、個々の被災者にはまだまだ生活支援の必要があるのです。そこをよく見ないで通り過ぎてしまってはいけないというのが被災地・被災者の実状なのです。
 震災復興の過程では、さまざまな格差が生じます。医療費免除については、今年中免除を継続する岩手県と、県当局は知らぬ顔のわが県との大きな格差。県内では、免除対象者を大幅に絞ったうえ、継続実施しているのは9自治体だけという隣合わせの住民間の格差。9自治体は来年度も継続表明していますが、その他からの免除再開の報は皆無です。格差が固定化されてしまいそうです。
 こういう格差が拡がっている原因は、ひとえに国の施策の不備にあります。震災後1年で全面支援を打ち切ったしまった結果、作り出されたこの格差は、後日しっかりと検証されなければならないと感じています。
 被災地の協会として、6年経った今、改めて復興への取り組みは今後も非常に大切だと考えています。

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