県政を問う 第2回「福祉や教育の遅れを捨て置く村井県政」


県政を問う 第2回

「福祉や教育の遅れを捨て置く村井県政」

宮城県社会保障推進協議会会長 刈田啓史郎

170905刈田啓史郎 いま安倍政権の下で格差と貧困が急速に進んでいる。それを改善していくためには、社会保障の充実が何よりも欠かせないが、安倍政権が行ってきているのは、社会保障の抑制と削減である。それによる医療や介護の後退は深刻な状況である。その一方で、防衛費は4年連続増額し、戦後初のGDP(国民総生産)比1%突破目前である。
 このような状況の時に、地方自治体がいかなる対応をしていかなければならないかを我々はしっかりと考えていかねばならない。村井宮城県知事は、これまで宮城県の福祉や教育行政の遅れを指摘されたときに、「それは(福祉や教育をしっかりすること)、まず国が行うべきことであって、その遅れのとばっちりで地方自治体が非難されるのは筋違いである」と答えるのが常であった。たしかに、国の責任が重いことは当然のことである。しかし、地方自治体がその状況を捨て置いて構わないということではないはずである。
 村井宮城県政がしたことは、国の行政の遅れへの適切な対応(福祉や教育などでの低所得者層への助成など)を行わず、トヨタ自動車などの大企業に優先的な支援をおこない、県民の生活はその利益のおこぼれを受けることで改善させようとするというものであった。
 残念ながら県の思惑がはずれ、福祉や教育の遅れは取り戻せず、現在も全国最下位グループから抜け出せないのである。無論、財政的困難から福祉や教育の遅れを回復させられないのならば県民は理解し、我慢することもできる。しかしながら、現在の宮城県の場合、それを行うための財政的基盤は十分にあるのにもかかわらず、それを福祉や教育の遅れにも、震災の復興にも使わず、単にため込みを行っているのが現状である。
 このような、国の福祉や教育の遅れを、県独自の努力で回復させようとしない地方自治体行政を、さらに続けていくことが県民の望むものなのかどうかを、我々はしっかりと考え直さなければならない。そう、「村井県政におさらばしよう」。

宮城保険医新聞9・5(1631)号掲載

This entry was posted in 活動. Bookmark the permalink.

Comments are closed.