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女川原発再稼働関連

シリーズ「女川原発廃炉への道」No,66

シリーズ「女川原発廃炉への道」No,66
東日本を壊滅させないために

理事 矢崎 とも子

 原発の運転60年超を容認する法律が施行された。全国に60年どころか70年を超えて運転可能となる原発が24基もあるという。原発の運転期間は東京電力福島第一原発事故後、原子炉等規制法で「原則40年、最長60年」と定められた。その規定では2040年までに4基、2050年までにさらに11基が廃炉になる。しかし原発回帰の方針のもと、運転延長を目的に運転期間については2023年に電気事業法に移管された。その結果、事業者の不適切な行為による停止期間以外の停止期間(原子力規制委員会による審査や対策工事、裁判での仮処分命令で停止後に上級審で命令取り消しされた場合など)を上乗せして運転延長が可能となるという。
 原子炉圧力容器は中性子を浴び続けた結果もろくなっていく。特に加圧水型原発の圧力容器は炉心から近く、脆性遷移温度領域が著しく広がるという。また機器や配管は時間経過とともに腐食や疲労で劣化していく。老朽原発は老朽家電でも老朽自動車でもなく老朽大型旅客機に似ているといわれる。事故の被害は想像をはるかに絶するほど大きい。
 さて、ウクライナのザポリージャ原発が簡単に占拠されたのはなぜだろう。反撃しても、管理を放棄して従業員が逃げ出しても、ヨーロッパが壊滅するからである。原発は自国に向けられた核兵器といわれている。
 女川原発は、基準面から14・8㍍に立地。東日本大震災では13㍍の津波に襲われた。震災で1㍍地盤沈下したためわずか80㌢で大きな被害を免れたという。さらに震災は最大干潮時から1時間後に起きた。最大干潮時の海面は基準面プラス23㌢、最大満潮時のそれはプラス127㌢。地震が満潮時に起きていれば津波被害に遭っていた。確保できていたという外部電源は5経路のうち1経路のみがかろうじて残って助かったのである。
 1995年7月に運転開始した女川原発2号機は震災で原子炉建屋の地下3階が2・5㍍浸水。熱交換器が海水につかり非常用発電機3台のうち2台が起動しなかった。原子炉建屋の壁には1000カ所以上の亀裂が入ったという。
 2024年12月に再稼働したが既に始動後30年を超え、経年劣化や腐食が心配だ。今後30年以上も稼働可能とは理解できない。東日本壊滅の危機から救うには廃炉以外方法はない。

本稿は宮城保険医新聞2025年7月25日(1868)号に掲載しました。

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