シリーズ「女川原発廃炉への道」No,17


シリーズ「女川原発廃炉への道」

知れば知るほど恐ろしい

理事 高橋 征

 約1万6000人の尊い命が奪われ、不明者約2500人を数える東日本大震災から10年を迎えようとしていた2月13日に、震度6強、M7.3の地震が起きた。しかも、福島県沖の地震と知り、「またか」と10年前の震災を思い起こした。あの東日本大震災の余震であると発表された。さらに、3月20日にも震度5強の地震が発生した。
 日本の原発は、地震大国であるにも関わらず、全てが海に面して立地している。太平洋沿岸に地震が頻発しており、今後20年以内にM7以上の地震が来るとの予測が先日発表された。
 東京電力福島第1原発事故から10年経過した今でも、事故処理は遅々として進まず、当初掲げられた30~40年後の廃炉は夢のまた夢である。大量の放射性廃棄物の処理には莫大な費用が必要となる上に、処理作業も困難を要する。東電の株を売り、約4兆円の除染費を捻出する予定も、株価の低下で大変である。
 汚染土壌について、「廃棄物ではなく資源として農地に再生利用する」との有り得ない計画を立て、試験栽培を初めている。世論は約60%が原発再稼働に反対している。原発ゼロ政府を作ることが必要である。市民の力で「原発ゼロ」を実現させよう。それにはまず、当会でも取り組んでいる「原発ゼロ基本法の制定を求める」署名に協力いただきたい。一日も早く原発の「安全神話」から目覚めて、「原発ゼロ」の日本になるよう力を合わせよう。

 

本稿は宮城保険医新聞2021年5月25日(1750)号に掲載しました。

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