寄稿「公害環境対策部会~3.11震災5年企画~現地視察会『栗原市を訪ねる』」


公害環境対策部 ~3.11震災5年企画~

現地視察会「栗原市を訪ねる」

公害環境対策部員 加藤純二

加藤純二HP用
 平成28年10月2日(日)、公害環境対策部会の会員と有志、計10名が県北の栗原市の放射能汚染地帯を視察した。目的は放射性汚染廃棄物の保管状況を見ることと、栗原市で活動している「放射能から子どもを守る栗原ネットワーク」の役員らとの懇談であった。マイクロバスで保険医協会の事務所を出発し、栗原市役所で大崎市の佐藤莊太郞会員、佐藤文男氏と小野久一氏の両栗原市会議員と合流した。
P1080666 まず未指定廃棄物の仮保管の状況を見るため畜産家の牛舎を訪問し、乳牛約100頭の畜舎と近くに黒いビニール袋に詰められ野積みされている稲藁を見た。畜産家の説明によると、原発事故後に稲藁や付近一帯が放射能に汚染されていることを知る前までは、牛舎から出る廃棄物を肥料として牧草を育て、稲藁とともに牛に与えるというリサイクルシステムで乳牛を育てていたという。P1080652牛は牛舎の中を自由に歩いていた。高濃度に汚染された稲藁は屋根付きの保管庫に大量に保管され、一方で毎年新たに出る低濃度汚染の稲藁は牛乳に許容される放射能濃度のさらに数分の1になるように与え、その分、汚染のない輸入の飼料で補っているという。肉牛の価格暴落で肥育畜産農家の経営不振が酷いという。 バスで移動し、ビニールの靴カバーを履いて野積みの仮保管場所を見せて貰った。夜に熊が出て、ビニール袋を爪で掻き破ったり、付近の飼料畑が荒らされたりするという。再びバスで築館町内へ移動し、「くさか和風食事処」で昼食をとった。その後、栗原市民活動支援センターで栗原ネットの3名の方々と懇談した。震災翌年の6月から毎月の例会(勉強会など)を欠かさず続けてきたという。会の目的や2年前からの最終処分場問題、最近では汚染稲藁の処理問題について鈴木健三代表から説明があった。
 当協会井上理事長から子どもの乳歯保存への協力依頼と、こちらからは放射能汚染の測定方法や毎年発生する稲藁の汚染と処理状況、県北の土壌汚染の状況などについて質問した。P1080673
またネットワークの測定チームによる栗原市内土壌測定結果が示され、町内の殆どの土壌が放射性セシウムで現在でも1Kgあたり100~600Bq、高いところでは2700 Bqと汚染されているという。汚染処理には莫大なお金がかかり、一参加者から「東京電力から電力供給を受けていた東京の人々に受益者負担を求めるべきではないのか」という意見があった。今後の相互協力を約束して懇談を終え、予定通り帰途についた。(追記)この原稿を書いている10月24日、宮城県が8000ベクレル以下の汚染廃棄物を県内の焼却施設で一斉焼却処理することを来月の市町村会議で提案する」との報道があった。空中に放射能は本当に出ないのか、焼却灰に放射能はどのくらいに濃縮され、どこにどう廃棄(保管)されるのか、注目していかなくてはならないと思ったP1080687
 (「栗原ネットワーク」と検索すると「放射能から子どもを守る栗原ネットワーク」の活動等ホームページで閲覧することができます。)

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