反核医師の会公開講演会 猿田佐世氏が講演


反核医師の会 公開講演会

「米国トランプ政権と日本外交」

猿田佐世氏(新外交イニシアティブ事務局長)が講演

核戦争を防止する宮城医師・歯科医師の会は、10月14日(土)、保険医協会研修ルームにて「米国トランプ政権と日本外交ー非核平和、原発、北朝鮮等をめぐって」と題し、公開講演会を開催しました。講師は、新外交イニシアティブ事務局長の猿田佐世氏。

猿田氏は、冒頭、核廃絶キャンペーンICANのノーベル平和賞受賞について触れ、日本におけるICAN協賛団体の一つである反核医師の会が国内でのキャンペーンに先進的に関わってきたことを知っており、敬意を表したいと話しました。

はじめに、ワシントン在住時から現在まで、外交・政治問題について米議会等で自らロビーイングをおこなっている経験から、日米外交が安全保障はもとより、歴史問題、領土問題、経済、原発政策、消費税など国民生活に深く関わっており、外交に政府のみならず、様々な声が反映されなければならないとの問題意識が示されました。

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続いて、ワシントンでの調査活動やロビー活動を通じて見えてきた政策形成の実態について話しました。日本の官僚が自分たちの都合のよい政策を知日派に語らせ、それがあたかも米国の考えであるかのように日本に伝わる、あるいは国会議員がワシントンに赴き、そこで会見することで、米国の考えであるかのように伝える、これにより有利に日本国内の政策を進める、こうしたことが日常的に行なわれているとのことでした。たとえば沖縄の基地移転についても、米国政府はかならずしも辺野古に固執していたわけではなくいくつものオプションを考えていた、むしろ辺野古に固執しているのは東京の日本政府である。国内であたかも米国の考えとして認識されているものが、実は日本の官僚や与党政治家がワシントンからの発信力を使って作り出している実態。そうしたシステムを猿田氏は「ワシントン拡声器」と名付けています。

逆に日本国民多数の声は、米国にほとんど伝わっていないとも話されました。猿田氏は、脱原発を求める声や沖縄の声、北朝鮮問題についても、米国政府や議会関係者、シンクタンク等の研究者に直接届けることが重要であり、政府以外の様々な外交トラックによる働きかけが世界的に影響力を高めていると話しました。国の考えとは異なる市民の声を伝えていくこと、市民が政策形成に関われる社会を作っていくことの重要性があらためて認識された講演会でした。

 

 

 

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