理事長挨拶

(2020年3月)

東日本大震災から10年目を迎えて


  新型コロナウイルス感染症の広がりが懸念されます。感染症の専門家の意見が尊重され、事態の改善に役立てられるよう望みます。
 
 さて、東日本大震災から9年が経ちました。被災地全体を見渡してみると、復興が進んだところもあれば、まだまだ取り残されているところもあります。特に、東京電力福島第一原発事故被害地の状況は深刻です。
 原発事故の影響で、自宅に戻れないまま10年目を迎えた人びとの気持ちを想うと、居たたまれなくなります。時間が解決してくれるような生易しいことではないのです。ですから、事故の原因究明も不十分なままに、同じような危険を身近に感じてしまう女川原発再稼働は絶対に許せません。昨年末の当協会の会員アンケートでは、再稼働反対が91%を占めました。5月末の定期総会の記念講演では、大飯原発にストップをかけた、元福井地裁裁判長の樋口英明氏のお話を聴き、気勢を上げたいと考えています。
 昨年10月の台風19号被害に際して、東日本大震災の経験を活かすことができました。被災された医療機関の復旧補助金拡充を求め、要望書を提出しました。被災者の医療や介護の負担免除は、当初1月末まででしたが、要望が通り、9月末まで延長されました。
 この医療費窓口負担免除については、検証の必要があります。東日本大震災の被災者に、岩手県は今も免除を続けています。すでに全市町村で免除打ち切りとなった宮城県との違いが何をもたらしたのか、はっきりさせたいと思います。
 被災地の復旧復興には地域医療の状況が大きく影響します。昨年9月に唐突に厚労省が発表した、424の公立・公的病院の再編・統合のリストには、県内19病院が含まれました。震災後、7つあった医療圏を無理やり4つにしてしまった宮城県。地域医療構想をまとめるには困難が伴いますが、当会としても大いに関わっていく予定です。
 多様な復興状況に対応できるよう、引き続き重要課題と位置づけて取り組んでまいります。

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