(2021年10月)
病院の統合・再編構想はオープンな検討を
理事長 井上 博之
宮城県の医療に大きな影響を与える、病院の再編・統合問題が県政の大問題となっています。昨年8月4日に、村井知事は、県立がんセンターと仙台赤十字病院と東北労災病院の3病院の連携・統合構想を打ち出しました。その協議が進まない中、先月9日に突然、県立精神医療センターを加えた4病院を2拠点に再編する方針を発表しました。
当会は昨年、このような重要な医療構想が必要な議論もなしに、進められていることに疑問を持ちました。宮城県のホームページには、県立がんセンターあり方検討会議の第1回目の議事録が開示されていましたが、第2回目から第5回目までは掲載されていませんでした。そこで、今年1月に開示請求を行いました。県からはコロナ対応を理由に返答を7月まで延期されたうえ、やっと届いた議事録を見て驚きました。会議冒頭の挨拶部分以外、全面黒塗り状態でした。これを不服として、先月24日、宮城県情報公開条例の規定に従って、あらためて開示を求めて審査請求を行いました。
この問題に関する、宮城県知事の挙動には、当会だけでなく、広く県民の間でも疑問や批判の声が上がっています。県民誰もが分かるように、オープンな議論が交わされてこそ、正常な県政といえます。宮城県情報公開条例の目的には、「県民の知る権利を尊重」することが「県政に対する県民の理解と信頼を確保し、公正で開かれた県政の発展に寄与する」とあります。知事にはしっかりとこの立場で、病院統合・再編問題に臨んでほしいと思います。公的な会議内容を全て秘密にし、納得のいく説明もなしに話を進めさせるわけにはいきません。
来月には、宮城県知事選挙があります。このような県政に県民の審判を下す機会でもあります。何事につけてもオープンな県政を求めていきましょう。