被災者医療費免除 継続と拡充求め東北ブロックが厚労省へ要請


要望書を提出する南部淑文岩手協会会長

東北6県の保険医協会でつくる東北保険医団体連絡会(保団連東北ブロック)は、10月23日に被災者の医療費免除の継続と拡充を求め、厚生労働省と懇談しました。東北各協会や全国保険医団体連合会(保団連)の役員、事務局20人が参加。当会から井上博之副理事長、島和雄理事と事務局が参加しました。

厚労省は、国民健康保険課、高齢者医療課、保険課から4人の担当官が出席し、岩手県協会会長の南部淑文氏が被災者の医療費免除の継続と拡充を求める要望書を提出しました。

提出した要望書は、国の全額負担で生活再建に至らない被災者の医療費窓口負担金を復活し、継続、拡充することと、被災3県への国保の財政支援を平成28年度以降も継続することを求めるものです。また放射能汚染状況重点調査地域の居住者に対する健診の実施と医療費負担の無料化も要望しました。そのほか、患者申出療養制度の撤回や国による子ども医療費無料化制度の創設、東北地方への医学部新設への予算措置など3つの要望書も合わせて提出しました(提出した要望書の全文はコチラ)。

懇談では、島理事が当会が県内の仮設住宅居住者に対して行った、4月からの免除再開に関するアンケートの結果を報告しました。島理事は、持病がありながらも医療機関を受診していない方が、免除ありの方では3・1%なのに対し、免除なしの方では17・9%と約6倍に上っていることなどを紹介しました。

 アンケートの結果から、免除がない方は持病があっても主に経済的理由で受診を抑制し、持病がなくても余計に健康に不安を抱えるなど、免除のないことが不安や不満、さらに我慢など精神的負担に繋がっていると指摘し、免除の拡充を求めました。

厚労省からは、「被災3県の国保に対する財政支援は平成27年度までは行うが、以降は各保険者の判断になる。これまでの経緯や他の災害と比較し、改めて国の全額負担で免除を復活するのは難しい」との回答でしたが、国の財政も厳しく予算も限られているが、要望は真摯に受け止め、国として可能な支援は、来年度の予算編成の際に検討していきたいとの発言もありました。

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