「反核医師・医学者のつどいin福岡」に参加して
核戦争を防止する宮城医師・歯科医師の会 島 和雄
11月1〜2日、反核医師・医学者のつどいin福岡は「核はいっちょん好かん!!〜作るばい安全な未来、核亡き世界〜」と銘打って、福岡市都久志会館にて行われた。
一日目は伊藤千尋氏(ジャーナリスト・元朝日新聞記者)による記念講演「憲法を活かす・地球を守る」と、纐纈厚(こうけつ あつし)氏(山口大学副学長)による学習講演「私たちは、東アジアにどう向き合うのか〜日中・日韓関係のこれから」。その後、韓国反核医師会メンバーによる講演・報告が行われた。
二日目は第一分科会「核廃絶と平和問題」と第二分科会「原発と代替エネルギー問題」に分かれ、私は第二分科会に出席した。
反原発と反核・反戦のふたつのテーマに分けられ、憲法・人権問題、国際関係、歴史認識という観点で制度・政策を睨んだ核問題とエネルギー問題が取り扱われた。講演・報告とも内容が豊富で大変勉強になった。今回は全体から得た印象を報告したい。
講演は「原発に反対する場合、『反対』だけ叫んで成功した事例は世界的に見ても無い」という話しから始まった。国が「国策」として原発を推進していることは周知の通りであるが、これに対して地方自治体(住民)から「原発よりも**の方が良いのでは……」という形で反原発を提案する。家庭における太陽光発電への支援(補助金・基金化等、自治体による風力発電、地熱発電、民間による小水力発電なども含め)を行うなど、地方自治体の政策として住民参加型の自立供給エネルギー対策がその例であろう。
政府による地方自治体への介入・制御は国庫補助金等経済的圧力によって行われていると言って良いと思うが、現場から離れた(距離のある)施策は常に当事者との乖離をはらんでいることはすでに指摘されているところである。一言で言えば政府による地方への介入は、つねに国家レベルでの利害を中心に考えられ、そのために地方にとっては「的外れ」の政策を遂行することになり、その的外れ政策を誤魔化すために隠蔽と圧力を仕掛けることになる。沖縄辺野古問題などが良い例といえる
政府は地方の人口問題を課題としていわゆる「まち・ひと・しごと創生本部」=地方創生本部を立ち上げているが、これには政府主導ではなく地方(住民)側が主体的に関与していく運動が必要であり、住民・自治体独自の政策を大胆に提案していく運動が必要なのではないだろうか。