第2回公開市民講座
福島原発事故から4年半の実態
木村真三獨協医科大准教授が語る
協会女性部は昨年11月29日、フォレスト仙台において公開市民講座を開催し、市民など128名が参加しました。第2回の今回は、福島原発事故後、真っ先に現地に調査へ入り、現在も福島県を中心に調査活動を行っている獨協医科大学准教授の木村真三氏が講師を務め、「事故から4年半 汚染地図から見えてきたこと、食品のこと」をテーマに講演しました。
講演では原発問題を考える上で必要な基本知識をはじめ、現地にいるからこそわかるメディアでは報道されない福島の姿について話しました。
特に住民帰還の基準となっている「年間20ミリシーベルト」という数値については、福島原発で1年6カ月にわたって事故の収束作業に従事していた元作業員が白血病を発症したことに対し、厚労省が労災を認定したという報道を挙げ、この作業員の被ばく量が19.8ミリシーベルトであったことから、20ミリシーベルト以下という基準が安全であるとは決して言えないと述べ、本当に安全かどうかを判断するためには、「最大のリスク」を見積もって検証しなくてはならないと強く批判しました。
また、県民健康管理調査で明らかになった甲状腺がんについて、「原発事故由来ではない」と否定する人がいるがその証拠は全くなく、もし今後、原発事故が原因であったと判明した場合、その人々は見捨てられることになってしまいかねない。除染作業に莫大な費用をかけているのであれば、すべての人々を保障すべきではないかと主張しました。さらに、甲状腺がん以外の疾病はまだ明らかになっておらず、長期的観察が必要で、継続的な検診を続けることにより早期発見し、適切な対処を行うことが重要であるとも述べました。
〈参加者の声〉
*これからが大変!これからも大変!ということがよく分かりました。これからも福島のこと、日本のことを知り続けていかないといけないと思いました
*報道では取り上げられていない情報を得ることができて大変参考になりました。これからも汚染のことを決して忘れてはいけないと強く思いました
*非常に分かりやすく、特に福島の現状については危機感をもって私たちが考えていかなければと思う。福島を忘れないことが大事であり、支え続けることだと考えています