東日本大震災被災者の医療費窓口一部負担金免除に関するアンケート結果について
1、調査の目的
2016年4月から免除の対象が変わったことによる会員医療機関の受診状況の把握
2、調査の実施時期、対象者、実施方法と回収数
2016年6月3日から6月17日の期間に、会員医療機関1612件に調査用紙を送付。ファックスで返信いただいた。回答は28件(医科18件、歯科10件)で回収率は1.74%だった。その後、7月11日から7月25日の期間に、会員医療機関708件に対しファックスで再調査を実施、113件(医科67件、歯科46件)から回答があり、回収率は15.96%だった。
3、調査結果の概要
(1)「設問1 医療機関の所在する市町村を教えてください」
(2)「設問2 4月から5月に受診した患者さんの中で、医療費一部負担金が免除されている方はいましたか」
医科は「はい」が63件(74.1%)であり、来院患者全体に占める割合は、5%未満が39件、5〜10%未満が5件、10%以上が6件、8件が人数等の記入で5件が無回答であった。歯科は36件(64.3%)が「はい」と回答し、5%未満が28件、5〜10%未満が2件、6件は人数等の記入であった。
(3)「設問3 4月以降に免除が終了した患者さんで、受診に変化はありましたか」
24件(17.0%)の医療機関で受診に変化があったことがわかった。変化の内容については、医科が「受診回数を減らした」12件、「検査、投薬を断られた」3件、「受診をやめた」6件。歯科は「受診回数を減らした」6件、「受診をやめた」が4件であった。免除がある自治体に所在する医療機関では受診の変化は6件に対し、免除が打ち切られた自治体に所在する医療機関は18件となった。
(4)「設問4 設問3で受診に変化のあった患者さんの病名を教えてください」
医科では「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」「うつ病等精神疾患」「気管支喘息」「骨粗鬆症」「がん」が病名として挙げられた。歯科は「歯周病」「う蝕」「歯冠修復・欠損補綴」であった。また、変化のあった患者さんの症状で気になることについて、「がんによる症状を我慢して受診を減らしている方々もいるように思われる」(医科)、「プラークや歯石の治療中でやめられたので歯肉の炎症・動揺などが進行していないか気になります」(歯科)が寄せられた。
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(5)「設問5 受診する患者さんから医療費免除措置に対する不満や意見を聞くことがありますか」
医科・歯科ともに「いいえ」が8割程度を占めるが、「国が決めたことなので仕方ないと言っている人がほとんどです」「『窓口負担がないのはとても助かるので、もう少し続いてほしかった』と数人から聞くことがありました」「金銭的負担が大きい」「持ち家1階が津波被害に遭った独居男性。年金生活で修理費用工面できず、今も少しずつ自分で直している。住宅ローンは10年以上残っている。医療費4月分は2万円。自給自足を目指して畑を作っているが、それでも立ち行かなくなったら家と心中するしかないと思っているとの話あり」との事例が寄せられた。
(6)「設問6 医療費免除についてご意見やご要望をお聞かせください」
「震災後5年ではあるが、まだまだ生活再建されているとは言い難く、免除措置の延長などを望む(医科)」「当院の患者さんにはいないが、まだまだ困っている方は溢れるので、継続してほしい(歯科)」「免除を継続した自治体の最大の理由は、受診の遅れによる健康の悪化を防ぐということだったならば、国保のほかに後期高齢者に対しても独自の支援体制を講じるのが常ではなかろうか。県の広域連合にかわって!(歯科)」と免除の継続・拡充を求める声が寄せられた。また「同じ県で市町村によってばらつきがあるのは管理しにくい。在宅医療を行っているため、医療保険と介護保険の請求をしているが、介護保険のみ免除が継続となる市町村もあり混乱する(医科)」「震災を契機に経済的問題が出てきた方、震災以前から低所得で困窮していた方、それぞれの原因と対策を考えながら議論することで問題の本質が見えてくるのではないかと思います(医科)」と自治体によって免除対象が異なることへの不満や医療体制自体への課題を指摘する声もあった。
医科は「はい」が63件(74.1%)であり、来院患者全体に占める割合は、5%未満が39件、5〜10%未満が5件、10%以上が6件、8件が人数等の記入で5件が無回答であった。歯科は36件(64.3%)が「はい」と回答し、5%未満が28件、5〜10%未満が2件、6件は人数等の記入であった。
24件(17.0%)の医療機関で受診に変化があったことがわかった。変化の内容については、医科が「受診回数を減らした」12件、「検査、投薬を断られた」3件、「受診をやめた」6件。歯科は「受診回数を減らした」6件、「受診をやめた」が4件であった。免除がある自治体に所在する医療機関では受診の変化は6件に対し、免除が打ち切られた自治体に所在する医療機関は18件となった。
医科では「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」「うつ病等精神疾患」「気管支喘息」「骨粗鬆症」「がん」が病名として挙げられた。歯科は「歯周病」「う蝕」「歯冠修復・欠損補綴」であった。また、変化のあった患者さんの症状で気になることについて、「がんによる症状を我慢して受診を減らしている方々もいるように思われる」(医科)、「プラークや歯石の治療中でやめられたので歯肉の炎症・動揺などが進行していないか気になります」(歯科)が寄せられた。
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(5)「設問5 受診する患者さんから医療費免除措置に対する不満や意見を聞くことがありますか」
医科・歯科ともに「いいえ」が8割程度を占めるが、「国が決めたことなので仕方ないと言っている人がほとんどです」「『窓口負担がないのはとても助かるので、もう少し続いてほしかった』と数人から聞くことがありました」「金銭的負担が大きい」「持ち家1階が津波被害に遭った独居男性。年金生活で修理費用工面できず、今も少しずつ自分で直している。住宅ローンは10年以上残っている。医療費4月分は2万円。自給自足を目指して畑を作っているが、それでも立ち行かなくなったら家と心中するしかないと思っているとの話あり」との事例が寄せられた。
(6)「設問6 医療費免除についてご意見やご要望をお聞かせください」
「震災後5年ではあるが、まだまだ生活再建されているとは言い難く、免除措置の延長などを望む(医科)」「当院の患者さんにはいないが、まだまだ困っている方は溢れるので、継続してほしい(歯科)」「免除を継続した自治体の最大の理由は、受診の遅れによる健康の悪化を防ぐということだったならば、国保のほかに後期高齢者に対しても独自の支援体制を講じるのが常ではなかろうか。県の広域連合にかわって!(歯科)」と免除の継続・拡充を求める声が寄せられた。また「同じ県で市町村によってばらつきがあるのは管理しにくい。在宅医療を行っているため、医療保険と介護保険の請求をしているが、介護保険のみ免除が継続となる市町村もあり混乱する(医科)」「震災を契機に経済的問題が出てきた方、震災以前から低所得で困窮していた方、それぞれの原因と対策を考えながら議論することで問題の本質が見えてくるのではないかと思います(医科)」と自治体によって免除対象が異なることへの不満や医療体制自体への課題を指摘する声もあった。
医科・歯科ともに「いいえ」が8割程度を占めるが、「国が決めたことなので仕方ないと言っている人がほとんどです」「『窓口負担がないのはとても助かるので、もう少し続いてほしかった』と数人から聞くことがありました」「金銭的負担が大きい」「持ち家1階が津波被害に遭った独居男性。年金生活で修理費用工面できず、今も少しずつ自分で直している。住宅ローンは10年以上残っている。医療費4月分は2万円。自給自足を目指して畑を作っているが、それでも立ち行かなくなったら家と心中するしかないと思っているとの話あり」との事例が寄せられた。
「震災後5年ではあるが、まだまだ生活再建されているとは言い難く、免除措置の延長などを望む(医科)」「当院の患者さんにはいないが、まだまだ困っている方は溢れるので、継続してほしい(歯科)」「免除を継続した自治体の最大の理由は、受診の遅れによる健康の悪化を防ぐということだったならば、国保のほかに後期高齢者に対しても独自の支援体制を講じるのが常ではなかろうか。県の広域連合にかわって!(歯科)」と免除の継続・拡充を求める声が寄せられた。また「同じ県で市町村によってばらつきがあるのは管理しにくい。在宅医療を行っているため、医療保険と介護保険の請求をしているが、介護保険のみ免除が継続となる市町村もあり混乱する(医科)」「震災を契機に経済的問題が出てきた方、震災以前から低所得で困窮していた方、それぞれの原因と対策を考えながら議論することで問題の本質が見えてくるのではないかと思います(医科)」と自治体によって免除対象が異なることへの不満や医療体制自体への課題を指摘する声もあった。