当会は、5月27日に仙台ガーデンパレスにて、第47回定期総会を開催しました。会員、関係者など81人が参加し、16年度の活動報告と17年度の活動方針を決定しました。今回は役員改選期にあたり、新たに上原忍理事が副理事長に就任し、大崎市で開業されている佐藤荘太郎会員が理事に就任しました。また、顧問税理士に仙台中央税理士法人の竹田久税理士が就任しました。
開会で井上博之理事長は、「国会では森友学園問題や加計学園問題が取り沙汰されている一方で、介護保険法改正案が強行採決され、31本もの法案を一括で可決してしまった。これにより介護保険利用料が来年8月から3割負担に引き上げられる。深刻な問題を含む法案がすんなりと通ってしまう国会運営は見過ごせない。医療分野でもこれから変化が予想される。必ずしも良い変化だけでなく悪くなることも考えられる。状況を見定め、協会としての対応を考えていかなくてはならない。本総会はそのような今後の活動方針を検討する貴重な場と考える。ご参加の皆様には積極的に議論に参加いただき、ご意見を寄せていただくようお願いしたい」と挨拶しました。
議事では、仙台で医科を開業されている松井博滋会員、石巻で開業されている岩渕潤二会員を議長に選出しました。
2017年度の重点課題は「審査・指導、監査対策の強化」「医療社会保障改悪の阻止と充実」「2018年診療報酬改定に向けた報酬引き上げ・改善の運動」「憲法改悪、消費税増税、原発再稼働など国民生活破壊の動きに対峙する運動展開」など15項目を決定しました。
最後に、診療報酬の不合理是正と窓口負担の大幅引き下げや医師、歯科医師の裁量権を尊重した審査、行政手続法に則った指導、監査などを要求する総会決議を採択し、実現に向け全力を尽くすことを全会一致で採択しました。
2035年の医療の行方
m3.com編集長が講演
記念講演では日本最大級の医療従事者専用サイト「m3.com(エムスリードットコム)」の編集長である橋本佳子氏が「2035年の医療の行方を占う~急ピッチで進む医療制度改革、その鳥瞰図~」と題して講演しました。
橋本氏は新専門医制度や医師の働き方改革など昨今の制度改革の動きを解説。20年前と20年後の人口構成の変化を示し、医師の受給が2033年頃には均衡すると推計されていることを紹介しました。そして制度改革を読み解き、対応するためのキーワードとして、「データ」(レセプト情報や健診等のデータベースの利活用、人口知能による診療支援や創薬など)、「インセンティブ」(特定健診・保健指導の実施率での支援金の加減算やヘルスケアポイントの付与等)、「患者(主権)」(セルフメディケーション税制、スイッチOTC化等)、「地域(主権)」(地域包括ケアや医療費適正化、国保の県単位化など)、「プロフェッショナリズム」(新専門医制度、医療事故調査制度、終末期医療など)の5つをあげました。
第47回定期総会選出
2017・2018年度宮城県保険医協会役員一覧
理事長 井上 博之(歯科)
副理事長 上原 忍(歯科)
遠藤 文雄(医科)
杉目 博厚(歯科)
中村 起也(医科)
理事 熱海 順(歯科)
五十嵐 公英(歯科)
笠原 英樹(医科)
鎌田 常明(医科)
北村 龍男(医科)
郷家 道彦(歯科)
齊藤 穂積(医科)
齋 基之(歯科)
佐藤 晶子(歯科)
佐藤 荘太郎(医科)
島 和雄(歯科)
高橋 征(歯科)
町田 幸雄(医科)
村田 幸生(医科)
矢崎 春彦(医科)
横堀 育子(歯科)
監事 神 久和(医科)
鈴木 勝利(歯科)
事務局長 鈴木 和彦
顧問 山田 忠行(弁護士)
竹田 久(税理士)
横尾 盛雄(社会保険労務士)
三浦 経子(医科)