(2017年11月)
診療報酬・介護報酬の引き上げを求めます
理事長 井上 博之
来年4月からの診療報酬・介護報酬同時改定をめぐって、重要な動きが出てきました。10月25日、財務省の財政制度等審議会が、診療報酬を2%台半ば引き下げるよう提案しました。特に診療報酬本体のマイナス改定を求めている点に注意が必要です。同時に、介護報酬もマイナス改定とするよう求めました。安倍政権下で進められる社会保障費圧縮路線に沿った提言です。
「医師の技術料は上げられません」「医療従事者や介護職員の給料を下げなさい」と言っているようなものです。「医療崩壊」が叫ばれたのは、2002年の診療報酬マイナス改定の頃からです。その後の改定ではマイナスを取り戻すには至っていません。累計では、実質10%以上のマイナスとなっています。そして、今も「医療崩壊」が指摘されています。
また、介護の現場も、人手不足と過重労働が深刻です。施設はあっても稼働できず、要介護者の利用に支障が出ています。
こういう現場の実情に沿った国の改善策を求めます。財政ありきで始まるのではなく、医療と介護の向上をめざして欲しいのです。
私たちの要求は次の通りです。
- 国民に安全、安心で、必要な医療を提供するため、診療報酬を、技術料を中心に、医科・歯科とも10%以上引き上げること。
- 新たな患者負担増の計画は中止し、患者窓口負担を軽減すること。
これらを求めて、会員の要請署名を集め、各大臣や国会議員に要請する予定です。私たちは、経済的な理由で必要な受診を諦めている患者さんを見ています。私たちは、私たちのためだけでなく、患者さんが安心して受診できる医療を求めています。皆さんと力を合わせて、要求実現に結び付けたいと考えています。