【声明】「12月23日の中医協答申に強く抗議し、オンライン資格確認システム導入義務化の撤回を求める」


 当会は以下の声明を内閣総理大臣、厚生労働大臣、総務大臣、デジタル大臣、宮城県選出国会議員に送付しました。

2023年1月19日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之

【声明】12月23日の中医協答申に強く抗議し、
オンライン資格確認システム導入義務化の撤回を求める

 厚労省は12月23日、中医協総会を開催し2023年4月からのオンライン資格確認システム(オン資)導入の原則義務化に向けた経過措置と医療情報・システム基盤整備体制充実加算の特例的な引き上げについて答申した。当会は中医協答申に強く抗議するとともに、改めて医療現場と国民の双方に混乱を持ち込むオン資導入義務化の撤回を求める。
 経過措置では、やむを得ない事情等によりオン資格導入が間に合わない医療機関等に対して6類型が提示された。約6割の医療機関等がシステム未導入・未稼働である状況を鑑みての対応であるが、極めて限定的だと言わざるを得ない。12月21日の中医協総会で示された診療側の資料は、オン資導入義務化を是認する日医・日歯等の調査結果のみであり、全国保険医団体連合会(保団連)や全国の保険医協会・保険医会の調査結果との乖離が散見される。保団連等の調査も資料提示されなければ、医療現場の声を正しく反映したとはいえない。また、12月23日の中医協総会で経過措置について「真にやむを得ない事情に限定して対象を明確化し、最小限に留めるものであるという前提の下、延長をおこなわない」とする附帯意見も示された。原則義務化を高圧的に推進するような姿勢も医療現場の意識と大きく乖離していると考える。
 医療情報・システム基盤整備体制充実加算では、2023年4月から12月までの時限的な措置として、マイナンバーカードによる保険証利用(マイナ保険証)以外の受診について、初診時の加算上乗せと再診時の新設が提案・了承された。マイナンバーカードの普及を推し進めるため、マイナ保険証を使わない患者にペナルティを強いることは言語道断である。このような差別的な診療報酬は正当性がないばかりでなく、国民の受療権を侵害するものであり、日本国憲法第14条1項に定められた「法の下の平等」に反する疑いもある。即時撤回を求める。
 この間、当会には、「高齢のため、義務化となれば閉院も考えざるを得ない」「情報漏洩やセキュリティが心配」など、会員からオンライン資格確認システムに対する問い合わせや不安の声が数多く寄せられている。今回の中医協で決定した経過措置等は、医療現場の実態や心情を十分に反映したものとは思えない。当会はヒアリング・公聴会、パブリックコメントを含め、国会での審議を通して再検討するよう求める。

 

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