歯科医療機関が抱える金パラ逆ザヤ問題について、以下の要請書を厚生労働大臣へ提出しました。
厚生労働大臣
加藤 勝信 殿2020年4月8日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之歯科医療機関が抱える金パラ逆ザヤ問題に関する緊急要望書
歯科鋳造用金銀パラジウム(金パラ)の制度について、従来の2年に一度の診療報酬改定と、6ヶ月ごとの随時改定に加え、3ヵ月ごとに15%超の価格変動があった場合の改定が新設されました。
今回の制度改正では、根本的な問題が解消されたとは言えません。合金の市場実態価格を調べずに素材金属の価格変動から保険償還価格を決める点、金属の値動き対応へタイムラグが生じている点、価格変動が一定の範囲内であれば改定が見送られ乖離が放置される点など、制度の根本的問題には踏み込まれておらず、現場の実態に添った対応にはなっていません。
2018年9月以降、金パラの市場価格が著しい高騰を続ける中で、歯科医院は告示価格を大幅に上回る価格での購入を余儀なくされてきました。逆ザヤによる損失は計り知れないものがあります。新制度による対応だけでは、この間の損失すら補えません。
歯科医療現場では失望と怒りの声が上がっています。厚労省は直ちに再度告示価格を改定し、国民に安定して歯科医療を提供できるよう抜本的な対策を強く求めます。政府厚労省の責任において歯科医療機関が抱える金パラ逆ザヤ問題を直ちに解消し、抜本的な対策をおこなうこと。
以上