HPVワクチンに関する討議の報告
2020年度保団連第1回地域医療対策部会(2020年5月31日、電話・web会議)の議題2で子宮頸がん撲滅に向けた保団連の対応についての議論が行われました。
議論を踏まえ別紙意見書が部会として採択されました。
私は、この意見書に対して保留の立場をとりました。この意見書そのものについては、反対ではありません。しかし、この意見書はこれまでの保団連地域医療対策部会の議論から前進しているとは思えません。
私は、これまで保団連地域医療対策部会の討議、シンポジウムの検討状況を宮城県保険医協会会員に報告する必要を感じ、HPに投稿してきました。
そこで指摘してきたのは、定期接種となった過程が不透明であること、また積極的な接種勧奨の中止の勧告の過程が不透明であることです。更に、その不透明さが混乱を招いていることを指摘してきました。
地域医療対策部会での数回にわたる論議、2019年11月24日のシンポジウム「HPVワクチンをめぐる現状と課題」に参加しました。
私は、今回の意見書はこれまでの論議は踏まえているが、シンポジウムの成果は生かしていないと考えます。保団連に期待することは、政策決定の透明化を求め、今後のワクチン行政を透明化させることだと考えます。
現在、多くの医療関係者がHPVワクチンの積極的な接種勧奨に賛成しています。そのときだからこそ、保団連の役割として、決定過程を明らかにするよう求めることは一層重要と考えています。
今回の意見書に賛成できないと言うよりは、保団連のより積極的な役割を期待し、今回の意見書には保留の立場をとりました。
2020/06/06 保団連地域医療対策部員 北村 龍男
参考文書
1.子宮頸がん撲滅を目指す取り組み強化を求める意見書(2020年6月 地域医療対策部会)
2.宮城協会HP投稿文書①
投稿「HPVワクチン接種勧奨について 保団連地域医療対策部会(2018/05/28)討議参 加報告と私の見解(2018/8/ 投稿)
3.宮城協会HP投稿文書②
投稿「シンポ『HPVワクチンをめぐる現状と課題』報告」(2019/12/27 投稿)