新型コロナウイルス感染症対策「すべての医療機関に対する給付金等の財政措置を求める要望書」


 当会は9月17日付で以下の要望書を県内の市町村長に対し提出しました(既に報道等により、独自支援の実施を把握していた「角田市、岩沼市、登米市、栗原市、村田町、亘理町、山元町」の4市3町を除く)
 

2020年9月17日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之

新型コロナウイルス感染症対策
すべての医療機関に対する給付金等の財政措置を求める要望書

前略
 新型コロナウイルス感染症対策に対するご尽力に敬意を表します。
 宮城県保険医協会は、6月19日から医科会員944名に「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査」を実施し、6月30日までに114名から回答を得ました(回収率12.1%)
 集計の結果、93.0%の会員が前年同月比で5月の外来患者が減少したと回答し、5月分の保険診療収入も、93.0%の会員が減少したことがわかりました。保険診療収入が「減った」割合が30%以上だった会員は、23.6%を占めていました。
 助成金・融資については、「持続化給付金」は67.5%、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や民間金融期間経由の無利子融資は63.2%、「雇用調整助成金」は64.9%が「申請の『予定なし』」と回答し、「申請したいができない」という回答の中には、「申請要件に達しない」「ローンを抱えている中で無利子とはいえ借入はできない」等の理由が寄せられました。また、福祉医療機構などから融資を受ける保険医療機関を対象に、5月診療分の診療報酬等の概算前払いが認められましたが、「申請した」という回答はなく、「知らなかった」という回答が24.6%ありました。医療物資では、消毒用アルコール、ガウン、エプロン、サージカルマスクが未だ不足している状況も明らかになりました。
 このような厳しい経営状況と感染リスクに晒されながら地域の医療機関は、住民の健康を守るため、日々の診療に奮闘しています。政府は第二次補正予算で、「新型コロナ緊急包括支援金」として1.6兆円を充て、「医療従事者への慰労金」「感染拡大防止等の支援」などが盛り込まれましたが、医療機関の減収への補塡策は講じられていません。第二次補正予算を受け、独自に慰労金や支援金を創設する自治体もあり、県内でも角田、岩沼、登米、村田、亘理、山元の3市3町(9/4現在)が独自に給付金の交付を実施しています。今後、さらなる感染拡大に備え、患者・住民への医療提供、健康確保の役割を発揮していくためにも、すべての医科・歯科医療機関に対する独自の支援が求められています。
 今回の調査結果を受け、当会は、貴(市・町・村)でも医療機関に対する支援金、給付金等による減収補填策を講じることをはじめ、下記の事項を要望いたします。

医科・歯科医療機関の経営破綻阻止と一般診療継続に向けた対策

一、地域の医療機関が経営に破綻を来さないよう、支援金の制度を設けるなどの独自の措置を実施してください。

一、国に対して、すべての医科・歯科医療機関が経営破綻を起こさず、日常診療を維持できるように減収補填策を講じるよう求めてください。

一、各医療機関が発熱患者に対応できる体制をつくるため、動線分離や別室診療のための費用を補塡する独自の給付金を支給してください。

一、医療用マスク、消毒液、ディスポーザブルのガウン、ゴーグルやフェイスシールド、手袋などを確保し医療機関等に支給してください。

患者の医療確保

一、低所得者および収入が減少した世帯の医療保険の保険料・窓口での一部負担金の徴収を直ちに猶予し、一定所得以下については免除してください。

一、受診控えによる住民の健康悪化や重症化を防止するため、住民に対して安心して医療機関を受診するよう積極的に広報してください。

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