「ALPS処理水の海洋放出を行わないことを求める声明」(みやぎ反核医師・歯科医師の会)


内閣総理大臣 菅  義偉  様
経済産業大臣 梶山 弘志  様
環境大臣   小泉 進次郎 様

ALPS処理水の海洋放出を行わないことを求める声明

 政府は4月13日、東京電力福島第一原発事故で発生した汚染水のALPS処理水について海洋に放出する方針を決定した。私たちは、この方針に強く抗議する。

 公開説明会や公聴会が一切行われず、堅牢な大型タンクによる安定貯蔵など現実的な案についても議論されたという報道はなかった。生存と環境に関わる重大問題について多くの知見を集めて検討するのではなく、漁業関係者をはじめ国内外で広がる反対や懸念の声を無視し、非民主的なプロセスで一方的に決定されたことはきわめて問題である。

 ALPS処理水にはトリチウムだけでなく、他の放射性物質が残存していることが指摘されている。薄めて放出するとしても最終的な残存核種の総量は変わらない。貯蔵タンク内の処理水にとどまらず、140トンといわれる日々新たに発生する汚染水をALPSでの処理ということだけで数十年という長期にわたり海洋に流し続けることの影響と意味を再考すべきである。

 私たちは命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、ALPS処理水の海洋放出に反対する。そして当面、陸上保管を継続すること、国内外の英知を結集し透明性あるプロセスを通じて解決をはかることを求める。

2021年4月26日
みやぎ反核医師・歯科医師の会

 

This entry was posted in 反核. Bookmark the permalink.

Comments are closed.