(2022年3月)
県内4病院統合再編問題の県民に開かれた検討を求めます
理事長 井上 博之
県民の関心も高い4病院(県立がんセンター、仙台赤十字病院、東北労災病院、県立精神医療センター)の統合再編計画について、県議会や仙台市議会でも議論がされています。残念ながら、議論の深まりや計画の具体性などの面では、まだ十分な情報は伝わってきません。昨年10月にも、当欄でこの問題を取り上げましたが、その後の進展はあまり見られないようです。どうも提案した県知事はじめ、担当者の見解も固まっていないようにもうかがえます。
当会は、1月27日に、県保健福祉部医療政策課長をお呼びして、「政策医療の課題解決に向けた県立病院等の今後の方向性について」の学習会を行いました。その中で、経営主体や財政計画はじめ具体的な内容については、まだ検討中であったり、明らかにできないことが多々あることが明らかになりました。
次いで2月25日に、それらの点も踏まえ、4病院問題をメインテーマに、第14回医療政策懇話会を開きました。国会議員3名、県議会議員9名に参加いただきました。そして、多くの意見をいただきました。この問題のこれまでの経過の問題点、当該病院職員の声が反映されていないこと、地域住民の要望が考慮されていないことなど、各議員から多面的に検討する必要性が語られました。
この問題の実質的な検討が進んでいない現状から見て、今後の進め方については、特にオープンな議論に徹することを求めたいと思います。当会が求めた、県立がんセンターあり方検討会議の議事要録の速やかな開示も求めます。そして、県民にも、医療関係者にも納得できる医療構想が示されるよう、風通しの良い県政を改めて要望します。
これを機会に、宮城県の地域医療の向上が図られるよう、宮城県保険医協会としてもさらなる努力を続けたいと思います。