(2022年7月)
参議院選挙の結果について
理事長 井上 博之
今月10日、参議院選挙の結果が出ました。自公の与党が過半数を制し、安定政権を得たとされています。物価高に国民の悲鳴が上がる中、コロナ禍が続き「第7波」が懸念される状況にありました。社会保障の充実を含め、国民生活を守る対策などが一大争点となるところでした。しかし、投票日の2日前に、元首相の銃撃殺傷事件が起きて、選挙の争点が薄らいでしまった感がありました。
宮城県保険医協会は、医療費抑制策を改め地域医療を守る政治の実現をめざして、11項目の重点要求を掲げて選挙に臨みました。
これらの重点要求項目について、各政党並びに各候補者にそれぞれアンケートを実施し回答を得ました。今回当選された議員の皆様のご意見を拝見しますと、残念ながら当会の要求に好意的な方は多くありませんでした。私たちの要求実現のためには、今後とも与野党を問わず、広く国会議員の方々への働きかけが求められるのだと思います。
もう一つ選挙結果で注目されるのは、改憲勢力が3分の2を超えたということでしょう。ロシアのウクライナへの武力侵攻が依然続く中、戦争や平和の問題に関心が高まっています。この点について、当会の重点要求では「人権尊重、平和主事、民主主義に基づく日本国憲法を堅持すること」を掲げました。今後、必然的に改憲論議が活発になると思われます。命と健康を守る医師・歯科医師として、こうした問題にも正面から取り組まなければと考えています。
政府の骨太の方針などに見られる、「社会保障は削って当たり前」という姿勢を改めてもらう必要があります。選挙結果は、そのような要望の実現が遠のいたと思わせますが、私たちはあきらめません。新しい議員の皆様にも積極的に働きかけ、国民本位の政治が実現するよう努力を続けていきたいと思います。皆さん、共に前へ進みましょう。