当会は以下の声明を内閣総理大臣、厚生労働大臣、総務大臣、デジタル大臣、県選出国会議員に送付しました。
2022年7月21日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之
【声明】マイナンバーカードの保険証利用によるオンライン資格確認システム導入義務化および保険証の原則廃止方針に抗議し撤回を求めます
政府は2022年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)において、2023年4月以降、保険医療機関・薬局でのマイナンバーカードの保険証利用等に係るシステム導入を義務づけるとともに、2024 年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入し、保険証の原則廃止を目指すことを盛り込んだ。
マイナンバーカードの保険証利用に係るオンライン資格確認導入の義務化には多額の費用が必要である。保険証利用のマイナポイント費用だけでも予算は7,000億円を超える。医療現場の実情や要求、患者・国民の要望によって導入されたものではない同事業に、多額の税金をつぎ込む無駄遣いは中止すべきで、義務化は撤回すべきである。また、保険者による保険証発行の選択制を導入するとしているが、被雇用者・行政サービス受給者はじめ加入者に対して、保険者・雇用者から、マイナンバーカードを取得するようこれまで以上に強い圧力がかけられていくことが危惧される。
政府は保険証の廃止後も「加入者の申請があれば保険証は交付される」としている。保険証の廃止は非現実的であり、原則交付してマイナンバーカードの利用は任意とする形がもっとも簡便かつ合理的である。保険証が原則廃止ともなれば、マイナンバーカードを持たない者は、公的保険診療が受けられなくなる。保険証の原則廃止は、事実上、マイナンバーカード取得の義務化であり、マイナンバーカード取得は任意とする法令に明らかに抵触するのみならず、プライバシー権など憲法違反の疑いも強いものと言わざるを得ない。
当会は患者・国民の命と健康を守る医師・歯科医師の団体として、マイナンバーカードの保険証利用等に係るシステム導入の義務化および保険証の原則廃止の方針は撤回するよう強く求める。
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