(2022年10月)
窓口負担の2倍化に強く反対します
理事長 井上 博之
多くの国民の反対や不安の声に耳を傾けることもなく、岸田政権は、10月1日から一定の所得がある75歳以上の方の窓口負担を2割としました。医療機関の窓口では、今までの2倍の請求を告げられたお年寄りの驚きと怒りの声が上がっています。窓口負担増反対の署名を国会に提出するなど、当会をはじめ多くの国民や医療関係者が反対の声を上げる中、政府は強行しました。
コロナ感染拡大は収まらず、物価高騰が続いています。本来なら政府が施策を総合的に見直すべき事態に陥っているといえます。高齢者の生活の困窮も報じられています。この機にとんでもない値上げをするような愚策は即刻中止すべきです。
このままでは高齢者の受診控えが心配です。全国保険医団体連合会(保団連)の調査では、最近半年間に、医科24%、歯科48%の医療機関で受診の遅れや重症化例を経験していました。これがさらにひどくなることが予測されます。
厚労省は実施にあたって、配慮措置を設けるとしています。2割負担で増加した負担額を月に3000円までに抑えるとのことです。(外来診療についてのみです。)無茶な窓口負担2倍化をしなければ必要がない、余計な事務処理を課してまで進めることにどんな意味があるというのでしょうか。
前政権から引き継いだ「全世代型社会保障制度の構築」がお題目になっています。岸田政権は、現状の分析もおろそかにしたまま、盲目的に進めようとしています。少しは国民の生活を顧みることに注力してほしいものです。
支持率の急速な低下に直面している岸田政権に対して、お年寄りだけでなく将来のお年寄り=若者からも支持される、2割化中止の英断を求めます。皆さんとともに声を上げ続けたいと思います。