復興公営住宅住民の会と仙台市社協との懇談会の報告
宮城県保険医協会顧問、東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター世話人 北村 龍男
はじめに
2023年11月22日、”住みよい復興公営住宅を考える住民の会(以下、住民の会)”と仙
台市社会福祉協議会(以下、社協)との懇談会に参加した。住民の会の参加者は、川名
会長をはじめ、参加している町内会のメンバー、市会議員、事務局(東日本大震災復旧・復興支援県民センターの事務局メンバー等)でした。懇談会では、社協より「重層的支援体制整備事業について」、住民の会から「復興公営住宅の状況と見守りについて」の報告があった。
1.仙台市社協からの報告:重層的支援体制整備事業について
社協からは、”つながる支援-仙台市の重層的支援体制整備事業について”が報告された。
この事業は、令和3年4月の社会福祉法改正により創設された事業である。地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、市町村において以下の3つの支援を一体的に実施する。①高齢者や障害者といった本人や世帯の属性を問わない相談支援。②就労や住居支援等による社会とのつながりを回復する参加支援。③地域社会からの孤立を防ぎ、交流や活躍の機会を生み出す地域作りに向けた支援。
(1)仙台市の基本方針
この事業において、仙台市の基本方針は以下の3点である。
1)保健福祉センターを中心とした支援体制の充実・強化
公的支援が届きにくい人に対して、保健福祉センターが市社協CSWと連携し、関係機関や地域資源と連動した幅広な支援を検討する。
2)つながり検討の場の設置
「つながる会議」を用いて、「公的支援*地域資源」によるケース支援、見守りの体制
を考える。
3)「つながる」支援の実施
CSWなどの支援者が、足を運び、関係者とのつながりを作る中で、孤立化を防ぐ。
(2)「つながる会議」について
仙台市では、支援会議と重層的支援会議を「つながる会議」と総称している。
1)支援会議
市町村が支援関係機関等(保健センター関係各課、市社協CSW,当事者を取り巻く関係
機関-地域包括、障碍者相談支援事業所など)が参加する。
2)重層的支援会議
市社協CSWが「本人から個人情報共有の同意を受けて」開催する会議である。課題の解きほぐしや支援のあり方について検討し、CSWが本人の意思を踏まえた支援プランを作成する。この会議は令和5年度は各区毎にモデル的に2事例をとりあげ実施中である。
(2023/11/29)