声明「イスラエル・ハマスの即時停戦と、ガザ地区への人道支援を求める」


 当会は、12月21日付で以下の声明を決定しました。

 

【声明】

イスラエル・ハマスの即時停戦と、ガザ地区への人道支援を求める

 10月7日、ハマスによるイスラエル奇襲から始まったパレスチナ自治区ガザでの軍事衝突は、イスラエル、パレスチナ双方で幼い子どもたちを含む、おびただしい数の民間人犠牲者が出ている。イスラエルがハマスの拠点と疑う複数の病院施設では銃撃戦が行われ、新生児までが次々に命を落としている。ガザ地区への水、食料、医療品、電気などの人道支援は追いついておらず、人々は今も飢餓状態に置かれている。
 いかなる理由があっても、軍隊が民間人を殺傷することは許されない。まして医療機関を攻撃することは、断じて許されることではない。国際人道法上、すべての民間人は守られなければならない。イスラエルによる攻撃は、子どもを含めた一般市民、病院を空爆する明らかな国際人道法違反であり、蛮行と言わざるを得ない。生命と健康を守る医師・歯科医師として強く抗議する。
 また、10月27日、国連総会はイスラエルとハマスの大規模衝突をめぐり、双方に対し「敵対行為の停止につながる即時かつ持続的な人道的休戦」を求める国連決議を121カ国の賛成多数で採択した。しかし、イスラエルや米国など14カ国が反対し、日本政府は棄権した。「人道的休戦」を求めた国連決議を棄権することは、人命を軽視するものである。日本政府はハマスによる戦闘行為を「無差別テロ」と非難するものの、イスラエルに対しては非難・抗議することを避けている。また、国会質疑でも野党の質問に対して岸田首相は、イスラエルによる子どもを含めた一般市民への無差別攻撃を「国際法違反」との認識を示さなかった。人命軽視も甚だしく言語道断である。
 日本国憲法第9条は、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことをかかげている。
 あらためて、私たちは、生命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、今回のイスラエルとパレスチナで起きたすべての殺戮と暴力を強く非難するとともに、子どもたちと市民の命を守るため、国際社会に対してイスラエルとハマスの即時停戦のため、関係国を含めた交渉を直ちに開始すること、ガザ地区への遅滞ない人道支援物資の搬入、速やかなインフラ回復が行われることを求める。

2023年12月21日

宮城県保険医協会
2023年度第7回理事会

 

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