学校歯科治療調査結果をもとに3月24日、以下の要請書を県へ提出しました。
宮城県知事
村井 嘉浩 様歯科保健事業の充実と子ども医療費助成制度の拡充を求める要請書
〒980-0014
宮城県仙台市青葉区本町2−1−29
仙台本町ホンマビル4F
宮城県保険医協会
理事長 北村龍男
副理事長 歯科代表 井上博之(要請趣旨)
宮城県保険医協会は、昨年9月に県内公立小学校と中学校を対象に学校歯科治療調査を実施しました。その結果、学校歯科健診で「要受診」となった小学生の半分、中学生の3分の2が歯科受診をしていなかったことが明らかになりました。また、一人でむし歯が10本以上ある、歯の根しか残っていないような未処置歯が何本もあるといった、いわゆる口腔崩壊の児童生徒に出会ったことがあると回答した小学校が5割、中学校は6割に上るなど深刻な実態が浮かび上がってきました。このことは、子ども達の口腔内における健康格差が顕著化し、二極化が広がっていると言っても過言ではありません。この問題に対し、我々医師・歯科医師が地域や学校との連携や啓発活動を向上させていくことが重要な要素であることは言うまでもありませんが、それに加えて学校保健のあり方も含めた県による歯科保健事業の充実が望まれます。とりわけ、子ども医療費助成制度の拡充が必要不可欠と考えます。
現在、宮城県の子ども医療費助成制度は、通院が「2歳まで」、入院が「就学前まで」を対象にし、全国的に見ても下位の3府県(宮城県・新潟県・大阪府)の内の一つです。通院助成の対象年齢を「通学前まで」としている県が25県、それ以上に助成する県が15県あり、群馬県・東京都・静岡県・鳥取県は「中学卒業まで」助成しています。
県内市町村の子ども医療費助成制度の状況は、県の助成制度を超える部分を各市町村が全額負担しているため、通院の対象年齢が「就学前まで」の自治体もあれば「18歳まで」の自治体もあり、住む地域によって助成内容に格差が生じているのが現状です。
宮城県の全ての子ども達の健康が守られ、いつでも安心して医療機関に受診することができるように、下記の項目について要請します。
(要請項目)○宮城県内で要受診であるにもかかわらず歯科を受診していない子ども達の実態や、口腔崩壊の問題を把握し、歯科保健事業を充実すること
○子ども医療費助成制度の通院助成対象年齢を、少なくとも就学前までに拡充すること