宮城県保険医協会 第45回定期総会決議


 

決   議

 政府は、社会保障充実のためと称して8兆円もの負担増をもたらす消費税増税を実施したにもかかわらず、大幅な患者負担増を柱とする医療改革関連法案を国会に提出、衆議院で審議を尽くさず採決するとともに、混合診療拡大やTPP参加など、医療崩壊を加速させる政策を推進している。これらに加え、集団的自衛権の行使を含む安全保障法制の改定など平和と生活が脅かされ、国民は今、大きな不安の淵に立たされている。

 一方、東日本大震災から4年3ヶ月が経とうとしているにも関わらず、未だ仮設住宅等への避難生活を強いられる被災者はとり残されたままである。東京電力福島第一原発事故も収束していない。国は先頭に立って被災者の生活再建と原発事故収束に責任を果たすべきである。

 我々は「いつでも、だれでも、どこでも」受けられる日本の優れた国民皆保険制度を守り、社会保障をいっそう拡充するため、広範な人々と協力、共同し、以下の要求実現に向け全力をあげて取り組むことを表明する。

一、患者国民に新たな負担を課し、社会保障給付を削減し、患者申出療養創設などによる混合診療を拡大する医療改革関連法案は廃案とすること。

一、国民生活と皆保険制度を破壊するTPP参加をやめること。

一、消費税増税を中止し、医療には消費税ゼロ税率を適用すること。

一、診療報酬の不合理を正し抜本的に引き上げるとともに、すべての患者負担を大幅に引き下げること。

一、国は集中復興期間を延長し、震災被災者の医療費一部負担金免除拡充をはじめ、被災者の健康維持、生活再建への責任を果たすこと。東日本大震災を教訓とし、被災医療機関等への公的補助制度を拡充すること。

一、集団的自衛権容認の安全保障関連法は廃案とすること。沖縄辺野古への新基地建設をやめること。なし崩し的な改憲をやめ憲法9条を厳守すること。

一、原発事故を二度と繰り返さないため、女川原発をはじめすべての原発の再稼働をやめ、再生可能エネルギーの活用等エネルギー政策を抜本的に転換すること。指定廃棄物の最終処分場建設は白紙に戻し、国民の議論を尽くすこと。 

以上、決議する。

2015年5月30日
宮城県保険医協会第45回定期総会

 

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