社会保障・税番号(マイナンバー)制度について、以下の理事会声明を決定し内閣総理大臣、社会保障・税一体改革担当相、県選出国会議員へ提出しました。また報道機関にも発表しました。
社会保障・税番号(マイナンバー)制度の施行中止を求める
日本年金機構の情報流出を受け、来年1月の運用開始を前に国民のマイナンバー制度に対する情報漏洩・流出の懸念や不安が広がっている。今回の事件では、問題が発覚してから発表に至るまでの遅れや、対象者への連絡の不備、基礎年金番号変更の手順が未定であるなど、政府の危機管理体制の欠如が次々と明らかになった。「共通番号制度は安全」と説明しているが、メディアからも「セキュリティー対策は漏洩の危険性を軽減はするが、絶対の安全はない」と指摘されている通り、漏洩のリスクがゼロになることはありえない。
このような状況に対し10月の個人番号通知や来年1月からの運用開始は、余りにも無謀と言わざるを得ない。マイナンバーの対象となる個人情報は、社会保障分野や税分野など多岐に渡り、漏洩・流出の際の被害は年金情報とは比較にならないほど甚大である。また、規模の大小を問わず、多くの民間事業者が「個人番号利用事務実施者」としてマイナンバー付きの個人情報を取り扱うことになれば、日本年金機構さえ防げなかったサイバー攻撃を、小規模の民間事業者が防ぐことは不可能である。民間事業者の情報漏洩・流出が多発する可能性は非常に高く、社会的に混乱が生じることが懸念される。
当会は、憲法13条が保障するプライバシー権の遵守、個人情報保護を優先する視点に立ち、マイナンバーの10月施行、来年1月の運用開始の中止を強く求めるものである。2015年7月16日
宮城県保険医協会
第2回理事会