理事会声明「医療崩壊をもたらすTPP批准に反対する」


TPP協定について、以下の理事会声明を決定しました。

理事会声明

医療崩壊をもたらすTPP批准に反対する声明

自民・公明の政府与党および日本維新の会は、徹底審議を求める多くの国民の声を無視して、11月4日、衆議院特別委員会でTPP協定の承認案および関連法案の採決を強行し、アメリカ大統領選挙の結果など情勢の変化にもかかわらず、11月10日、衆議院本会議で可決、参議院に送付した。

TPPの目的は多国籍企業の市場拡大と利益追求であることは明らかであり、その詳細を国民に秘匿したままの異常な協定である。そのため食やくらし、医療など様々な分野に重大な影響を及ぼし国民の利益、財産、命と健康を根底から損ねることが懸念されている。

一旦、TPPを批准してしまえば、公共が行う事業のすべてに外国企業が参入できる道を開くこととなり、ISDS条項により企業が相手国政府の規制等で不利益を被った場合に、ICSID(投資紛争解決国際センター)に訴えることができるとされている。米国の保険会社が皆保険制度により利益を損ねたとして日本政府を訴える可能性すらある。医薬品価格の高騰、保険診療の縮小と自由診療の拡大、営利市場としての民間医療保険の拡大など、TPPの狙いは、農業はもとより世界に誇る日本の医療制度を崩壊させることにあるといっても過言ではない。

 我々は、国民の生命と健康を守る医師・歯科医師の団体としてTPPの批准に反対する。世論を無視した国会での強行採決に抗議すると共に、批准することのないよう強く政府に求めるものである。

2016年11月17日
宮城県保険医協会
第6回理事会

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