オンライン資格確認システムトラブル事例アンケートの集計結果について
2023年4月よりオンラインによるマイナンバーカードでの保険資格の確認が実施できる体制整備が義務化されました。宮城県保険医協会は医療のデジタル化について一律に反対ではありませんが、義務化方針発表から1年もない義務化は大変拙速であり、医療機関は十分な準備の時間がないままシステム導入をせざるを得ない状況で、様々なトラブルや苦情が報告されています。
当会は県内の医療現場の実態を把握するため、5月29日から6月7日まで表記のアンケートを実施し、99件の回答(回収率6.2%)を得ました。集計の結果、回答の7割超で資格確認システムによるトラブルを経験したことがわかりました。また、資格確認ができないため、窓口で10割負担を患者に請求した事例も11件ありました。
今回のアンケート結果を踏まえ、当会は現行の保険証を廃止し、マイナンバーカードと一本化することなどを含む「マイナンバー法等一部改正法案」を政府が可決成立したことに対する抗議声明を発表しました。引き続きオンライン資格確認システム義務化の見直し・改善と現行の健康保険証廃止の中止を求めていく考えです。
73.3%がオンライン資格確認システムトラブルを経験
回答した99件のうち、86.9%(86件)がオンライン資格確認を実施しており、そのうち73.3%(63件)で、システム導入によるトラブルを経験していました。トラブルの内容を複数回答で聞いたところ、「該当無し・無効と表示される」「旧字体の氏名が●で表記された」「氏名に小文字が含まれる方の小文字の部分が大文字で表示される」など「保険者情報が正しく反映されなかった」が最も多く、次いで「顔認証ができなかった」「マイナンバーの読み取り機が反応しない」「機器が起動しない」など「カードリーダーまたはパソコンの不具合によりマイナ保険証を読み取りできなかった」、「トラブルが発生したことに対して、患者から苦情を言われた」などが多い結果となりました。また、1件ですが「他人の情報に紐づけられていた」というトラブルもありました。
トラブルがあった際の対応を複数回答で聞いたところ、「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をした」が最も多く(49件)、次いで「保険者に連絡をして相談した」(17件)、「レセコンメーカーに相談をした」(14件)、「前回来院時の情報をもとに対応をした」(14件)という結果でした。
トラブルにすぐ対応できない事例や患者に10割負担を請求した場合も
オンライン資格確認システムのトラブルがあったと回答した方で、すぐに対応できなかった事例が「1~5件あった」という回答が19.0%(12件)、11件以上あったという回答が3.2%(2件)ありました。すぐに対応できなかった原因を複数回答で聞いたところ、「健康保険証を持ち合わせておらず、すぐに資格を確認できなかった」が最も多く、次いで「オンライン資格確認のコールセンターに連絡をしたが、すぐに繋がらなかった」、「レセコンメーカーに連絡をしたが、すぐに繋がらなかった」という結果でした。また、一旦10割負担を患者に請求した事例も「1~2件あった」15.9%(10件)、「5件以上あった」(1件)という結果でした。
政府のオンライン資格確認システムの義務化、保険証廃止の方針に反対の声
政府は2024年秋に現行の健康保険証を廃止、マイナ保険証に一本化する方針ですが、自由記載欄には、以下のようなオンライン資格確認システムの義務化や保険証の廃止に反対する声が多く寄せられました。
・高齢者は端末の使い方が分からず、説明に時間がかかる。保険証を出す方が楽でマイナ保険証は面倒という声が沢山です。
・資格取得後すぐに受診した方の情報が反映されておらず、保険証の原本を確認して手動で入力することが多く、二度手間だと感じます。
・医療機関のみならず、患者さんもオンライン資格確認システムやマイナ保険証に振り回されているように感じます。
・保険証の廃止は反対です(マイナンバーの必要性を感じません)。保険証の廃止は本末転倒です。
・(オンライン資格確認システム)義務化は、まだ早かったと感じます(システムトラブル等の対応が定まっていないため)。患者さんからも保険証とマイナ保険証のどちらを出せばいいか問い合わせがあり、窓口も混乱しています。
・システム障害や停電時など保険証が発行されなくなった後の対応がとても不安です。
・今までは一画面でできた受付が何回も画面を切り替える必要があり、タイムロスです。現場としてはデメリットしか感じられません。
・従来の保険証で充分です。問診票やお薬手帳などで確認できるのに機器導入やマイナンバーカードの発行等、新たなコストと手間をかけてまでやる価値があるのかわかりません。
73.3%がオンライン資格確認システムトラブルを経験
回答した99件のうち、86.9%(86件)がオンライン資格確認を実施しており、そのうち73.3%(63件)で、システム導入によるトラブルを経験していました。トラブルの内容を複数回答で聞いたところ、「該当無し・無効と表示される」「旧字体の氏名が●で表記された」「氏名に小文字が含まれる方の小文字の部分が大文字で表示される」など「保険者情報が正しく反映されなかった」が最も多く、次いで「顔認証ができなかった」「マイナンバーの読み取り機が反応しない」「機器が起動しない」など「カードリーダーまたはパソコンの不具合によりマイナ保険証を読み取りできなかった」、「トラブルが発生したことに対して、患者から苦情を言われた」などが多い結果となりました。また、1件ですが「他人の情報に紐づけられていた」というトラブルもありました。
トラブルがあった際の対応を複数回答で聞いたところ、「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をした」が最も多く(49件)、次いで「保険者に連絡をして相談した」(17件)、「レセコンメーカーに相談をした」(14件)、「前回来院時の情報をもとに対応をした」(14件)という結果でした。
トラブルにすぐ対応できない事例や患者に10割負担を請求した場合も
オンライン資格確認システムのトラブルがあったと回答した方で、すぐに対応できなかった事例が「1~5件あった」という回答が19.0%(12件)、11件以上あったという回答が3.2%(2件)ありました。すぐに対応できなかった原因を複数回答で聞いたところ、「健康保険証を持ち合わせておらず、すぐに資格を確認できなかった」が最も多く、次いで「オンライン資格確認のコールセンターに連絡をしたが、すぐに繋がらなかった」、「レセコンメーカーに連絡をしたが、すぐに繋がらなかった」という結果でした。また、一旦10割負担を患者に請求した事例も「1~2件あった」15.9%(10件)、「5件以上あった」(1件)という結果でした。
政府のオンライン資格確認システムの義務化、保険証廃止の方針に反対の声
政府は2024年秋に現行の健康保険証を廃止、マイナ保険証に一本化する方針ですが、自由記載欄には、以下のようなオンライン資格確認システムの義務化や保険証の廃止に反対する声が多く寄せられました。
・高齢者は端末の使い方が分からず、説明に時間がかかる。保険証を出す方が楽でマイナ保険証は面倒という声が沢山です。
・資格取得後すぐに受診した方の情報が反映されておらず、保険証の原本を確認して手動で入力することが多く、二度手間だと感じます。
・医療機関のみならず、患者さんもオンライン資格確認システムやマイナ保険証に振り回されているように感じます。
・保険証の廃止は反対です(マイナンバーの必要性を感じません)。保険証の廃止は本末転倒です。
・(オンライン資格確認システム)義務化は、まだ早かったと感じます(システムトラブル等の対応が定まっていないため)。患者さんからも保険証とマイナ保険証のどちらを出せばいいか問い合わせがあり、窓口も混乱しています。
・システム障害や停電時など保険証が発行されなくなった後の対応がとても不安です。
・今までは一画面でできた受付が何回も画面を切り替える必要があり、タイムロスです。現場としてはデメリットしか感じられません。
・従来の保険証で充分です。問診票やお薬手帳などで確認できるのに機器導入やマイナンバーカードの発行等、新たなコストと手間をかけてまでやる価値があるのかわかりません。
調査期間 2023年5月29日(月)~2023年6月7日(水)
回答件数 99件 回収率6.2%
調査方法 5月29日、ファックス送信可能な641名の会員を対象にアンケート用紙を送付、その後、6月2日に会報に同封し、会員1594名に配付した。回答はファックスで送付いただき、回収した。
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