東日本大震災被災者の医療費窓口一部負担金免除について、以下の要請書を1月28日に県へ提出しました。
2016年1月28日
宮城県知事
村井嘉浩殿宮城県保険医協会
理事長 井上博之東日本大震災被災者の
医療費一部負担金免除の継続と拡充を求める要望書
地域医療の充実のための日頃のご配慮に敬意を表します。
東日本大震災被災者の医療費一部負担金免除について、当県では国民健康保険(国保)と後期高齢者医療に加入する一部の方が対象となっていますが、この措置も3月までとなっています。
この度、当会では3月で免除が終了することに対して、県内の仮設住宅と災害公営住宅の居住者を対象に別紙のアンケート調査を実施しました。その結果、およそ半数の回答者が限定的な免除の再開に納得できず、拡充を求めていることがわかりました。
また、免除が終了した場合、4割弱の方が「受診をやめる」「受診回数を減らす」と回答しており、同調査の意見欄には免除が終了すると経済的に医療費を負担できず、通院できないという声や対象が限定されていることへの不公平感と拡充を求める意見が数多く寄せられました。「免除が続かない場合には自殺するつもりです。現在ものすごく不安な状態です」「大震災で家を流されて貧乏になってしまい、5年で再建など無理な状態。親の介護も伴い、安定した職もない。老後破産が迫っている。今は自殺を考えています」など深刻な実態も明らかとなりました。このまま免除が打ち切られれば、病状悪化や生活破綻など、被災者がより窮地に追い込まれることが懸念されます。このような結果をふまえ、早急な対応を強く求めます。
大震災から5年を迎えようとしていますが、未だ3297世帯が仮設住宅を出た後の再建計画が決まっていないという県のまとめからも、被災者の生活再建は程遠く、とりわけ被災者医療の確保及び医療提供体制の確保に関しては、まだまだ充分とはいえません。医療費免除の充実に向け、以下のとおり要望します。ご高配ください。一、現在、免除されている被災者については4月以降も免除を継続すること。
一、免除の条件から「住民税が非課税世帯」を削除するなど対象を拡充すること。
一、県独自の財政支援措置を講ずるともに、国に必要な財政支援を求めること。
以上