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第6回保団連原発問題学習交流会(2017.4.16) 宮城県保険医協会報告要旨(会員専用)

4月16日に行われた保団連の第6回原発学習交流会で島和雄副理事長より報告した当会の取り組みの要旨を掲載します。同学習交流会には全国の協会・医会から役員ら200人が出席。新潟県知事の米山隆一氏が「東日本大震災・原発事故から6年―福島に寄り添い原発ゼロをめざして広範な連帯を―」と題し講演しました。(全体報告は全国保険医新聞第2715号をご参照ください)
 一昨年7月、UPZ自治体に立地する医療機関、介福祉施設等113件に対して、「避難計画」に関する現状を把握すべくアンケート調査を行いましたが、この調査において明らかになったことは、「県は、避難計画作成の要請をしているだけで、情報の提供や作成の方法などについて十分に指示や説明を行っていないこと、そのため計画策定は全くと言って良いほど手付かず状態に置かれている」ことでした。
 これらのことから、国、県並びに女川原発からUPZ自治体は、避難先、避難方法、手段等についての要件を提示するだけでなく、県の責任において、その対策と避難計画の策定に必要な情報、具体的な説明と保障を早急に提示すべきである旨、意見書として提出しました。
繰り返しになりますが、宮城県の「原子力災害避難計画 作成ガイドライン」では、「機関・施設等」に対して避難計画を立案するにあたり、「自力による避難に努め」と記述してあり、県及び関係市町と連絡等連携するよう要請しています。
 しかしながら、果たして「民間」の立場だけで実効性のある計画立案が可能なのでしょうか。宮城県保険医協会は、この点について同じ医療に携わる者としてきわめて難しい思われることから、昨年に引き続き今年も調査を行うこととしました。
今回は、一昨年度の調査結果に基づいて、昨年7月22日、アンケートを送付し、各「機関・施設等」での避難計画作成の進捗状況(計画の困難性)の把握とともに、本来どの機関・組織が責任を持って行うべきか(責任の所在)、また連絡体制等連携状況(連絡体制)はどうか等を中心に意見・考え方等について調査しました。結果、同年8月12日までに介護福祉施設114件中(43件)37.7%の回答を頂きました。
*計画作成の困難性(設問7、主に「図7-1」「表7-1」参照)
 今回の調査では「現在作成検討中」は14.6%であったが、しかし、回答を寄せられた機関・施設等の95.3%は未作成でした。未作成の理由として県・自治体からの説明不足と情報不足が回答者の半数近くを占めていました。
 避難計画作成上困難な点は「①避難(転医)先の確保」「②情報の収集や誘導体制の確立」「⑤車両等避難手段の確保」が上位を占め、昨年の結果と同じで、最も困難な問題となっており、現時点においても計画作成上の困難性は解決されていないことが明らかとなっています。
*責任の所在(P23 設問8、主に「図8-1」「表8-1」参照)
 作成が難しい点の解決はどこが責任を持って行うべきかについては、41件から合計155件の指摘がありましたが、そのうちの概ね3/4(74.2%)が当該市町と県のいわゆる「公(おおやけ)」でと言うものでした。
 責任性についての指摘が多かった項目は「①避難(転医)先の確保」「②情報の収集や誘導体制の確立」「⑤車両等避難手段の確保」でしたが、それについては(P25表8-3)をご覧下さい。
 なお、「⑧搬送・移送に必要な資機材の確保」についても95.0%が県、市町のいわゆる「公」での責任を求めており、搬送・移送に必要な資機材の確保についても「公」に依拠するところが大きいと思われました。
*連携体制(P19 設問9とP27 図・表)
 避難計画作成の上で困難であるとの指摘が多かった項目について、「連携体制」が現在「できていない」と答えている機関・施設等の状況はどれも80%を越えています。特に「⑤車両等避難手段の確保」に至っては「自力手配ができない」80.5%、その内「連携体制」が「できていない」は93.9%(P30 図9-5-1)となっており、車輌等搬送手段が不能状態と言えます。
*避難車輌等の確保
 所有する車輌を最大限活用した自力避難ができるかどうかについて(「設問9」の5)-1 )、「できない」とした33件の内訳は、病院9件1234床と有床診療所5件73床、医療機関の合計で1307床、介護福祉施設等17件1176人分となっており、「車両等避難手段の確保」を必要としている人数は、回答の調査内だけでも2483名になります。
 女川原発において福島第一原発と同様の事故を想定し、一般市町民の避難行動も加味した上で、寝たきりの方や車いすの方の搬送を想定した場合、さらに看護師、介護士等スタッフも含めた場合は、どの様な車輌をどれだけ準備しておく必要があるのか。民間での緊急な手配は不可能と考えます。
 はじめにお話ししたように、宮城県の「〔原子力災害〕避難計画作成ガイドライン」では、避難計画を立案するにあたり、「自力による避難に努め」とありますが、しかし、今回のアンケートは、大多数の民間医療機関・介護福祉施設等のみでの避難計画を立案することは、はじめから不可能であることを示しています。もし、「自力による避難」が可能ならば、県はその根拠を示すべきではないでしょうか。
 以上の結果を中間報告として、昨年9月26日、関係機関等に送付し、これについての意見等の有無を確認した後、同じく11月24日正式に報告書を調査対象機関・施設、UPZ内自治体首長・市町議会議員、県議会議員、関係団体等に送付しました。
 さらに、本年1月20日、宮城県に対し要望書を提出、その後県内の女性弁護士の有志グループの「脱原発ひまわりネット」と合流し、協同で記者発表を行った後、県会議員の有志に対し説明懇談会に臨みました。これらのことは地元紙にも紹介されました。
 昨年11月24日報告書を送付した後、宮城県に対し、担当係の職員に県で考える避難計画についてレクチャー頂けないかと申し込んでいたのですが、なかなか具体的な回答が得られず、そうこうしているうちに、本年の1月20日以後具体的な日程が提示、本年2月15日、石巻から何名かの医療機関・介護施設等からの参加も見られ、宮城県保健福祉総務課職員による学習会が開催され、今日に至っております。
 なお、予断ですが、この調査の目的をひと言で言えば、女川、石巻等女川原発の立地自治体、並びに女川原発から半径30Km圏内の自治体、いわゆるUPZ自治体が女川原発再稼働に拒否の意思を表明するところにあります。
 その運動の方法として、宮城県保険医協会ができることは何か。そのひとつとして、我々の立場に関わりのある医療機関、介護・福祉施設等に対し、宮城県が示している「原発過酷事故時に対する避難計画」作成のためのガイドラインによる方法が、本当に実効性あるものに繋がるかどうか、もしできないのならば立地自治体並びにUPZ自治体は再稼働を認めず、廃炉に向けた運動を、私たちと共に対象の医療機関、介護・福祉施設等にも声を上げてもらうきっかけにしたいと言うことも趣旨の一つと言うことができます。
=以上=

 

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寄稿「仙台パワーステーションの説明会に参加して」(会員専用)

仙台パワーステーションの説明会に参加して
公害環境対策部員 加藤純二

仙台港に石炭火力発電所を建設中の仙台パワーステーションが、平成29年3月8日、「石炭火力発電所建設事業者説明会」を夢メッッセみやぎで開催し、県内から多数の住民が参加した。以下、説明会の所感を報告する。
1)建築現場を見てから、少し早く到着した。事業者側の多くの関係者が準備中。説明会を重視していることを感じた。
2)前もって渡された資料や紙片「ご来場の皆様へ」は、静粛にとの内容や、退場していただくこともあるとの断り書き、ビデオ、カメラの撮影を禁じる、質問は紙での記入のみを受け付ける等、制約が多かった。(一方的で、参加者の反感を買ったと思う)
3)開始時刻までに500人収容の会場は満杯になった。(3/10付けの河北新報には、約450人の参加との報告がされた)
4)説明については、あらかじめ準備されたことを読み上げる様子で、会場内から内容に不満を感じる部分にヤジが飛び、司会者の「静粛に」という声が度々あったが、ヤジは益々多くなった。
5)「マスコミのビデオ撮影を禁じる」という司会者の発言は、会場内からの大きな反対があり、結局、事業者側は「許可します」と折れた。
6)説明が終わると、一旦休憩となったため、多くの参加者が会場の外で用紙に質問を記述した。(小生も書いた。)
7)後半の回答時間になると、約200の質問に順々に答えたが、回答する時間は足りず、残りの質問にはHPに回答を書いておくとの説明があり、それで終了となった。
8)小生は①もう建築は8割かた終わっているのに、何故この段階で説明会を開いたのか?と質問したが、前に出された回答を繰り返すのみで、「これから再度の説明会は行わない」と明言した。不満の声が多かった。
9)他に「窒素化合物、硫黄化合物、粉塵だけでなく、フッ素化合物も出るのではないか」と質問したが、それも含め多くの質問には、回答はHPに掲載するということで終わった。
10)出された意見の中に、匿名で「某有力政治家がこの事業には関与している」との内容があった。回答は「そのようなことは聞いていない」とのことだった。
11)説明の中で、「周辺環境への排気の悪影響は無い」とのことだったが、それは年間平均の排出物量を示した結果で、風速や風の方角によって特定地域の特定時間には、当然、被害は起こりうることが考えられる。事業者側の言い分は、「年間降雨量が少なくても、局所的に集中豪雨は起こりうる」のであり、納得は出来ない。
12)全体的に、参加者を納得させる説明会にはならなかった。
13)一方で、我々は電力の恩恵を受けていることは確かであり、原発に比べれば火力発電は安全ではないのか。火力発電をすべて反対とはいかないと思う。
以上

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女川原子力発電所過酷事故時における避難計画に関する要望書

女川原子力発電所過酷事故時における避難計画に関する調査結果を基に、以下の要望書を県知事へ提出しました。

2017年1月20日
宮城県知事
村井 嘉浩 殿
宮城県保険医協会
理事長 井上博之
公害環境対策部長 島 和雄
女川原子力発電所過酷事故時における避難計画に関する要望書

【はじめに】
 宮城県保険医協会は、「保険医の生活・権利と経営をまもり、国民医療の向上、医療保障の充実をはかり国民の健康を確保すること」を目的に、県内1640名の医師・歯科医師が参加、活動している団体です。
 宮城県の「避難計画〔原子力災害〕作成ガイドライン」では、避難計画を立案するにあたり、各医療機関・介護福祉施設等(以後、「機関・施設等」と称す)に対して「自力による避難に努め」、県及び関係市町と連絡等連携するよう要請しています。しかしながら、民間の立場だけで実効性のある計画立案が可能なのか、当協会は同じ医療に携わる者として、きわめて難しい課題であると言う感触を持ちました。
 当協会(公害環境対策部)では、昨年に引き続き二次調査として女川原発から30km圏にある自治体(以下UPZ自治体と称す)にある各「機関・施設等」114箇所を対象に、避難計画に関する実態を調査すべく、郵送によるアンケート調査を行いました。
 その結果、各「機関・施設等」での避難計画作成の困難性、責任の所在、また連絡体制等連携状況について明らかにし(別添資料)、UPZ自治体内の「機関・施設等」での意見・考え方等を忖度した上で、以下の通り要望をまとめ、提出いたしますので、ご対応を宜しくお願い申し上げます。
 なお、本要望書は、今ある原発を廃炉にし、一切の危険性がなくなるまでの期間に起こりうる事故に対応した避難計画とすべく、県並びにUPZ自治体に積極的かつ具体的関与を要望するものであり、女川原発再稼働のための要望ではないことを改めて強調致します。
(添付資料)
女川原子力発電所過酷事故時における原発から30km圏にある医療・介護福祉施設等の避難計画に関する調査(二次)報告 ① ②
【要望事項】
1.各「機関・施設等」の管理者が避難計画を策定するために、県は責任者を明確にし、「機関・施設等」の規模・内容等について調査をおこない、搬送(移送)元・搬送(移送)先双方に対し移送と受け入れが可能であることの根拠を示して避難(転医)先を確保し、その上で搬送(移送)元・搬送(移送)先双方に状況を公表してください。(避難受け入れ体制)
2.「機関・施設等」は公立・民間を問わず情報の共有は必須です。県が中心になって各「機関・施設等」に対し説明会、意見交換会などを企画してください。(意見交換・説明会)
3.女川原発において福島第一原発と同様の事故を想定し、看護師、介護士等スタッフも含め、寝たきりの方や車いすの方の搬送のための車輌等を、県の責任で手配をしてください。(避難車輌の確保)
4.女川原発において福島第一原発と同様の事故を想定し、一般市町民の避難行動も加味し、避難所までの情報の収集や誘導体制を提示してください(連携の確立)。
【要望の説明(責任と根拠)】
 今回の調査では、避難計画作成上困難な点として「避難(転医)先の確保」「情報の収集や誘導体制の確立」「車両等避難手段の確保」が上位を占めています。
 つまり、各「機関・施設等」の管理者が策定するとしても、まず、はじめに困難な点の解決、もしくは見通しの裏付けがないままでは、実効性ある避難計画の作成を進めることが難しいと言うことを示しています。
 ご承知の通り民間は行政機関と異なり、様々な考え方と価値観、形態、事業規模(資本)等に基づいて運営されております。患者・入居者の移送先の選定・確認を民間で個々に行っても、重複や対応漏れなどの過不足が生じやすく、そこを公が調整するとしても、「機関・施設等」に対する確認作業や選定作業を、改めてやり直す必要があることなど、二重三重にコストがかかるものと推測できます。ましてや、避難車輌等搬送(移送)手段については、今回の調査報告書でも触れたように、民間の「機関・施設等」での対応ではきわめて困難な状況が考えられます。
 一方、統一的、集約的対応が可能である行政機関(県)は、移送先とそこへのルート、移送手段等を無駄なく明示することができるものと考えます。各「機関・施設等」の管理者が避難計画を策定するためには、県は責任(責任者を明確にするなど)を持って「機関・施設等」の規模・内容等について調査をおこない、移送と受け入れが可能であることの根拠を示して避難(転医)先を確保し、その上で搬送(移送)元・搬送(移送)先双方に状況を公表していくことが必要と考えます。
 宮城県は、脱原発ひまわりネットの第6次質問状「第4の1.入院患者・入居者の搬送手段と搬送先を確保できたかどうかの調査」に対して、「医療施設や社会福祉施設の避難計画については、関係市町の避難計画が作成された後、その避難計画と整合性を図りながら、各施設の管理者が策定すること」と回答しています。また、同質問状「第4の2.搬送手段と搬送先が確保できなかった場合の対応について」に対しては、「・・・病院の転院先については、県が国の協力の下に医師会等と連携し、予め転院先の調整方法を定めることとされており、災害時の状況に応じて転院先を決定すること」としています(回答:平成28年4月28日付環境生活部原子力安全対策課長)。
 しかし、「予め転院先の調整方法を定める」と言うことは、その先の転院先決定は自己責任で行えと言うことにほかなりません。「災害時の状況に応じて転院先を決定する」と言うことに至っては、災害が起きてみなければ何も決まらないと言うことと同義です。このままでは機関・施設等の管理者に実効性ある避難計画を作成せよと言っても不可能なことは、今回の報告書を見ても明らかです。これは、予め転院先が決まるよう県が責任を持って保障しなければならないと定めるべきであって、上記回答は撤回すべきです。
 さらに、「各施設の搬送手段や社会福祉施設の受け入れ先については、避難計画を策定する施設の管理者が確保する・・・困難な場合には、県は国及び市町とともに支援を行う」としています。今回の私たちの調査では「困難」であることが明らかになっています。これに対し「支援を行う」ことは当然としても、個別の立場で受け入れ先施設の規模、スキルを調査し、確保するには多大な時間と労力を必要とします。一体、県は何をどのように支援しようとしているのでしょうか。
 いずれにせよ今回の私たちの調査では、避難計画の作成上困難な点の解決は、県もしくは関係市町のいわゆる「公」の責任で行うべきとする回答が70%以上であり、「搬送・移送に必要な資機材の確保」については、95.0%もの回答者が「公」での責任を求めており、「公」に依拠するところが大きいと思われます。
 以上のように、「公」にとってどのような解決策を持って責任性を明確にするか、県民にとっても注視すべき重要な課題と考えています。
 今回のアンケートは、大多数の民間医療機関・介護福祉施設等のみでの避難計画を立案することは、はじめから不可能であることを訴えております。県は何を根拠に「自力による避難」が可能と考えているのか、その根拠を示すべきであると考えます。
以上

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女川原発過酷事故における原発事故の避難計画調査結果を基に県要請および県議会議員、報道機関へレクチャー

女川原発過酷事故における避難計画
作成はわずか2施設
県の責任と策定主導を要請

 当会は1月20日、作年7月に実施した医療機関・福祉施設における原発事故の避難計画調査の結果を基に「女川原子力発電所過酷事故時における避難計画に関する」要望書を県に提出しました。島和雄副理事長、高橋征理事らが宮城県庁を訪れ、環境生活部原子力安全対策課の職員2名が対応しました。
 要請では、避難計画についての調査の結果から、避難計画を「作成」と回答した医療機関・福祉施設が43件中2件であり、昨年の調査に比べ1件しか増えていないことが明らかになったと報告。要望項目(①避難受け入れ体制②意見交換・説明会③避難車輌の確保④連携の確立)について説明し、当協会の調査は43件の回答であったが、回答がなかった機関・施設等の状況等も含め、県で避難計画策定の状況を把握し、直接調査を実施してほしいと要望しました。
 要望内容に対して県の担当職員は、「配慮が必要な方の避難については重要だと考えている。この点に関しては、県だけで対応するのではなく、国(内閣府)等の関係機関と連携して取り組むべきだと考える」と回答しました。それに対し協会は、「県は、国と市町の両方の立場を加味できる位置にあり、リーダーシップを発揮しやすいと思われる。避難計画の根拠と責任性を明確にし、県で主導していただきたい」と求めました。
調査結果で県議と懇談
報道各社へのレクチャーも
 同日には、女性弁護士でつくる「脱原発ひまわりネット」と合同で、県議会議員への説明・懇談会を開催しました。みやぎ県民の声所属の佐々木功悦議員が仲介役を担い、みやぎ県民の声、日本共産党、社民党、無所属の議員17名が参加しました。
 懇談で、当会は原発事故時における避難計画調査の結果報告と県知事宛に要望書を提出した経緯等について報告しました。脱原発ひまわりネットからは、地域防災計画に関し、県へ質問を続けてきた内容の紹介と要保護者の避難に関する責任の所在等、問題点について説明しました。
 参加した議員からは「2団体の話を聴いて、広域避難の在り方が切迫していると実感した。原発で事故が起きた時、特に寝たきりの方や介護を支える方の心身の状況を考えると県の対応は無責任だと思う」との感想や、「昨年9月に県へ医療機関・介護福祉施設等の避難計画について実態を把握しているのかと質問したところ、県の保健福祉部では『把握できていない』と回答した。『対象機関・施設を対象にアンケートを実施する等避難計画の作成を促していきたい。その為には、県として全国の先進例などを示したい』としていたが、その後の対応について、県に再度確認したい」という意見などが出されました。また、県への要望書提出後、県庁舎内にある宮城県政記者クラブにて、原発事故の避難計画調査の結果等について発表し、河北新報に掲載されたほかNHKや仙台放送等で報道されました。

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寄稿「公害環境対策部会~3.11震災5年企画~現地視察会『栗原市を訪ねる』」

公害環境対策部 ~3.11震災5年企画~
現地視察会「栗原市を訪ねる」
公害環境対策部員 加藤純二

 平成28年10月2日(日)、公害環境対策部会の会員と有志、計10名が県北の栗原市の放射能汚染地帯を視察した。目的は放射性汚染廃棄物の保管状況を見ることと、栗原市で活動している「放射能から子どもを守る栗原ネットワーク」の役員らとの懇談であった。マイクロバスで保険医協会の事務所を出発し、栗原市役所で大崎市の佐藤莊太郞会員、佐藤文男氏と小野久一氏の両栗原市会議員と合流した。
 まず未指定廃棄物の仮保管の状況を見るため畜産家の牛舎を訪問し、乳牛約100頭の畜舎と近くに黒いビニール袋に詰められ野積みされている稲藁を見た。畜産家の説明によると、原発事故後に稲藁や付近一帯が放射能に汚染されていることを知る前までは、牛舎から出る廃棄物を肥料として牧草を育て、稲藁とともに牛に与えるというリサイクルシステムで乳牛を育てていたという。牛は牛舎の中を自由に歩いていた。高濃度に汚染された稲藁は屋根付きの保管庫に大量に保管され、一方で毎年新たに出る低濃度汚染の稲藁は牛乳に許容される放射能濃度のさらに数分の1になるように与え、その分、汚染のない輸入の飼料で補っているという。肉牛の価格暴落で肥育畜産農家の経営不振が酷いという。 バスで移動し、ビニールの靴カバーを履いて野積みの仮保管場所を見せて貰った。夜に熊が出て、ビニール袋を爪で掻き破ったり、付近の飼料畑が荒らされたりするという。再びバスで築館町内へ移動し、「くさか和風食事処」で昼食をとった。その後、栗原市民活動支援センターで栗原ネットの3名の方々と懇談した。震災翌年の6月から毎月の例会(勉強会など)を欠かさず続けてきたという。会の目的や2年前からの最終処分場問題、最近では汚染稲藁の処理問題について鈴木健三代表から説明があった。
 当協会井上理事長から子どもの乳歯保存への協力依頼と、こちらからは放射能汚染の測定方法や毎年発生する稲藁の汚染と処理状況、県北の土壌汚染の状況などについて質問した。
またネットワークの測定チームによる栗原市内土壌測定結果が示され、町内の殆どの土壌が放射性セシウムで現在でも1Kgあたり100~600Bq、高いところでは2700 Bqと汚染されているという。汚染処理には莫大なお金がかかり、一参加者から「東京電力から電力供給を受けていた東京の人々に受益者負担を求めるべきではないのか」という意見があった。今後の相互協力を約束して懇談を終え、予定通り帰途についた。(追記)この原稿を書いている10月24日、宮城県が8000ベクレル以下の汚染廃棄物を県内の焼却施設で一斉焼却処理することを来月の市町村会議で提案する」との報道があった。空中に放射能は本当に出ないのか、焼却灰に放射能はどのくらいに濃縮され、どこにどう廃棄(保管)されるのか、注目していかなくてはならないと思った。
 (「栗原ネットワーク」と検索すると「放射能から子どもを守る栗原ネットワーク」の活動等ホームページで閲覧することができます。)

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